【プロレス：長州の新日本プロレス３大改革案（2）】

——ほかに見直す点は

長州：選手の査定をきっちりしてあげてほしい。（一部の選手は）今年１年生き延びようという保身だけでやってきてるように見える。契約が終わるとホッとしてる。俺だったら、そこは絶対に査定する。みんな一緒はあり得ない。

——経営が苦しいにもかかわらず、所属選手の所帯は多いままだ

長州：今みんなで船に乗れば１〜２年で厳しくなってくると思う。新日道場を使わせてもらって見てる限り、選手は頑張ってよく練習してる。でも、この新たに出る船は乗れるヤツと乗れないヤツが出てくる。査定するほうもされるほうも責任を持ってやらないとプロの世界じゃない。

——そういった状況の中で、長州さんの果たす役割とは

長州：俺はこの状況の中で社員も含めてどれだけ選手が（危機意識を）認識して、どれぐらいのものに耐えていけるか見てみたい。もう現場から離れて何年もたつけどやっぱりキレてるほうが、自分でも自分らしさがあってよかったと思う。

——現場監督に復帰すれば６年ぶりとなる

長州：俺は現場を任された時はイエス、ノーをはっきりさせてやってきた。その代わり査定はきちっとしてたと思う。あり得ないけど、もう一回現場でキレてね。条件はつきますよ。それは現場の全権を任せる。責任は全部取りますよ。

——大きな波紋が起こりそうだ

長州：もしキレてもいいから現場を仕切れって言われたら、すべての人間が反対する。（木谷ブシロード）社長が来年のドームに呼んでくれるのは大変光栄なことだけど、俺のやりたいことはもっと違ったことだから。完全にイエスかノーになる。

——そのぐらいの劇薬が必要というのか

長州：道場で見てるとケガしている選手はいっぱいいる。その経費まで出るか出ないか分からないけど、身銭切ってでも自分のパーツの手入れはしろ。だからプロのレスラーなんだ。

——新オーナーに期待することは

長州：この社長、どれぐらい腹くくってるかだよね。腹くくって新日本を動かすか。それに期待して１年間、見てみたいですよね。すごい期待している。買い取ってよかったなという結果になってほしいよね。

＜今でも新日道場で練習する革命戦士＞１９９８年の１・４東京ドーム決戦で引退した長州は２０００年の大仁田厚戦で現役復帰した。
　０２年５月、新日道場でアントニオ猪木を痛烈批判した上で新日プロを退団。その後、ＷＪやハッスル参戦を経て０４年に古巣にＵターンした。０５年１０月、新日プロのオーナーが創始者の猪木からユークスに交代すると同時に現場監督に電撃復帰。１年の契約期間を満了後、所属選手として活躍した。１０年秋に年間契約選手を外れ、フリーになったものの、現在も新日道場で練習しており、若手を食事に連れ出すなどして後進の面倒をみている。
　藤波辰爾、初代タイガーマスクと立ち上げたレジェンド・ザ・プロレスリングを主戦場にする一方で、新日マットにもスポット参戦を続けている。次戦は３・１１浜松大会の出場が発表されている。