木嶋被告、１人死亡後すぐ散財そして次の人…３人不審死公判

　練炭自殺に見せかけ、交際相手の男性３人を殺害したとして、殺人罪などに問われた無職・木嶋佳苗被告（３７）の裁判員裁判第２０回公判が１３日、さいたま地裁（大熊一之裁判長）で行われ、２００９年５月、千葉県野田市の自宅が全焼、遺体で見つかった無職・安藤建三さん（当時８０歳）の事件の審理が行われた。

　検察側は、木嶋被告が安藤さんを殺害後、安藤さんの口座から１８８万円を無断入手したものの、すぐ使い切って困窮。次の詐欺と殺害に手を染めた経緯を指摘した。

　検察側の主張では、５月１５日午前に安藤さんを殺害した木嶋被告は、午後に「ロクシタンのハンドクリーム」などの高級品を写真付きでブログにアップ。５５万円をクレジットカードの繰り上げ返済に、５０万円をカードローンの返済に充てた。

　１６日、安藤さんの長男に電話で「お父さんと連絡が取れない」と案じつつ、ミスタードーナツを土産に妹宅へ。料理学校に通うための６４万円も支払い、６月１日、自身の口座残高は０円に。「早くも困窮した」という。

　婚活サイトのプロフィルを更新して恋人を新規募集する一方、シャネルのバッグなどを質入れして２５万円を入手。練炭やハルシオンを買った。

　「こうして１つの殺人事件のエピローグが、新たな殺人事件のプロローグとなったのです」。検察官は大出嘉之さん殺害事件につなげて見せたものの、木嶋被告は淡々とした様子だった。

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