甘口ワインで知られる旧ソ連のグルジアが、国名表記を英語読みの「ジョージア(Georgia)」に変えるよう日本に要請している。きっかけは08年のロシアとの軍事衝突。語源は同じキリスト教の聖人とされるが「グルジア」はロシア語の読み方。「敵の言葉で呼ばれたくない」というわけだ。
東京のグルジア大使館によると、世界の9割の国が「ジョージア」と呼んでいるという。日本や中国は今もグルジアだが、韓国は昨年3月、要請を受けて「ジョージア」に変更した。韓国政府は日本海を「東海」に呼称変更するよう国際世論に訴えており、グルジアの国名改称に応じたのは、このための戦術の一環との観測もある。
ちなみにグルジア語の正式国名は「サカルトベロ」。グルジアもそこまでは求めていないというが、日本では国名表記の変更には法改正が必要とあって、外務省は頭を悩ませている。
何より「ジョージア」では米国のジョージア州と混同されかねない。ジョージア・ワインだと、味の想像がちょっとつかない。【田中洋之】
毎日新聞 2012年2月18日 12時46分
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