社会福祉士の資格は取っても、社会福祉士は名称が独占というだけで、相談業務などは別に誰がやってもいい事になっている。 なので、社会福祉士としての求人はとても少ない。 先日、障害者就労継続支援事業を新規に始めるという某NPOがあり、社会福祉士を募集していたので応募した。 三重県のNPO室のHPから、このNPOの設立趣旨書を見るとNPOを立ち上げるに至った経緯が書かれてあり、「平成19年 参議院議員 前田武志事務所(民主党)にて特定非営利活動法人について説明を受け、指導を受け、定款を作成した」と書いてあったので、信用したのである。 応募にあたり、私は新卒ではなく、実務経験もない事は事前に通告してある。なのに、いきなり「管理者として採用したい」と言われ、訳も解からず承諾し、採用になった。 ところが、障害者就労継続支援事業を行うにあたって、「サービス管理責任者」がいなければ、開業できないのに、このNPOには該当する者がいないと言われた。 サービス管理責任者研修を受けて、資格を取得するには、実務経験が5年以上必要なのである。 私は、実務経験がないので、このサービス管理責任者研修の受講資格すらないのである。 ところが、私とは縁もゆかりも面識も全くない奈良県の社会福祉法人(事業所番号29111XXX36)が、なんと私の「実務経験5年」を証明する書類を作成していた。 その虚偽の証明で「サービス管理責任者研修」を申し込んで、研修を受け、サービス管理責任者資格を取得するように言われた。 当然に、すぐさまお断わりした。 福祉に従事する者が不正を行い、施設が国と地方の債務義務である訓練等給付費からサービス料を受け取ることは、明らかに犯罪であるからだ。 それ以前に、不正行為自体、人倫に悖る行為であり、絶対に犯してはならない罪である。 それなのに、奈良の実績のある社会福祉法人が不正と知りながら、いとも簡単に虚偽の証明を出してしまう事に驚愕した。 このNPOの親会社は、はっきり言って福祉業界と全く関係の無い営利事業をしているので、福祉事業を行うに当ってのノウハウがなく素人だったのである。 だからこそ、実績のある社会福祉法人や国会議員を訪ねて、勉強を繰り返して来たのだろう。 真摯に障害者に働く場を提供したかったのか?それとも障害者福祉を食い物にして健常者より人件費を安くしたかったのか?は今となっては解からない。 しかし、崇高な「福祉」を正しい方向へ導くべき実績のある社会福祉法人が、素人NPOに不正を唆した事実は許せない。 また、指導を受けたとある民主党・参議院議員の前田武志氏は、一体何を指導していたのか? 巷にある福祉施設の責任者や資格保持者の内、どれだけの人が不正を働いてその立場を手に入れたのか?と思うと、とても悲しい。 |