地域資源ピックアップ

「この町らしさ」を大事にしたまちづくりを推進

山口まちづくりセンター

〒753-0084 山口市銭湯小路17-1 TEL&FAX:083-934-3515


えんがわの外観

 山口県庁から一の坂川、大内氏館跡付近一帯。室町時代に大内氏によってその基盤が築かれた街並みには竪小路、大殿大路、伊勢大路、石原小路といった昔日の面影を漂わす地名が今も生きています。

まちづくりセンター外観

 
えんがわの外観

まちづくりセンター内観

 「山口まちづくりセンター」は銭湯小路と久保小路が交差する角に立つ建物。風情のある洋館は隣り合う町屋桝本邸と同じ敷地内にあり、和風と洋風が不思議なマッチングをみせています。大正8年に建てられた木造2階建てで、羽目板張りの外壁、整然と並んだ縦長の窓が特徴。一時期、理髪店などにも使われていましたが、平成10年秋、市の住宅マスタープラン作成にたずさわった建築士会が中心となった「住まい・まちづくりセンター」の拠点として改修。玄関に古い瓦を敷いたり、床や壁は自然素材で仕上げるなどこだわりも光ります。現在はNPO法人「山口まちづくりセンター」の事務局が置かれています。

代表の深澤幸代さん

山口まちづくりセンター
新センター長 小山哲彦さん

 「僕の家は祖父の代から、この近所で工務店をしていたんです。この建物は祖父が建てて、父が直して、僕が使っているというわけで。ここを借りる交渉をしていたときにわかった話なんですが。おかげであとの話はスムーズに進みました。今もご近所は“何をしよるかようわからんが”と言われつつ協力的です」と笑う小山哲彦さん。小山建築設計事務所を営む設計士で、「山口まちづくりセンター」の副センター長を務めています。「僕も建築設計の仕事をしていて、新しいマンションが建つのは仕方ないなと思います。でも景観として古い街並みのよさを残したい。懐かしさを振り返ることのできるようなまちにしたい。もちろん、古いことだけにこだわるのではなく、住みやすいことが大事です。人間に優しいスケールが残っている、そういうまちであるべきではと考えています」。

写真館の面影を伝えるライト

玄関の床に敷かれた古い瓦

 センターは平成12年にNPO法人化。現在は住まいやまちづくりを研究・支援する部会活動と、いろいろなまちづくりを応援する拠点活動を行っています。中でも、街なか居住の促進と「山口ふるさと総合伝承センター」の指定管理業務は大きな柱です。「県庁まで歩いて行けて、なおかつホタルの飛ぶ自然がある。買い物にも便利。そういうまちに親しく住んでもらうこと。特に高齢者におすすめです。そして指定管理者などの委託業務は受けることで事務経費を生み出し、利益を会員の活動に還元していく。無償ボランティアばかりでは限界があると思うので。現在70余名の会員がいますが、会員に対して常に情報発信をしていくことが課題です」。会員に建築士が多い関係もあって町屋再生事業も手がけてきました。「これは市などの助成をいただき、施主さんにも出してもらって再生します。やったことが目に見えるので次にもつながりやすい活動です」。

2階、各種教室の会場

 まちづくりはそこに住む人たちのもの。この地域らしい景観と暮らしぶりをいかそうとする活動の担い手が住人であることは大きなポイントといえそうです。「まちづくりは長い目で見ることが必要で、生涯現役でという反面、元気のあるうちに次の元気な若い人たちを育てていかなければと思っています。大内文化の心意気を引き継ぎ、仲良く楽しくやりながら結果を出していきたいですね」。地図に残る地名や再生・活用される町屋と同様に、確かに継承されていくまちづくりへの思いがここにあります。