「ねーむー」
「ほら、あと少しで教室なんだからしっかりしなさい!!」
加代子に言われて、危ない足取りで教室に向かう。昨日はあれから深夜の二時位まで次の話の構成を考えていた。考え縫いた結果、読者達にどんなキャラが良いか聞いてみることにした。よって、寝不足なわけである。
「んな~……っと」
変な声を出していると、半目状態だったので誰かにぶつかった。
「すみなません…」
あまりにも眠たすぎて訳の分からないことを知ってしまった。正しくは、すみません。といいたかったのだが。
「……大丈夫か?」
「ふぇ?」
ぶつかった相手は、心配そうにこちらを見た。んんん!?よく見ると、イケメンさんではないか!やばいやばいやばい!私は一気に目が覚めた。
「いやもう元気もりもりでございまする!」
「あ・・・・」
「ちょ、悠葵!…ったく、すみません」
なんか変な事言ってしまった気がするが、気にしないでおこう。一目散に教室に駆け込んだ私を、追いかけてきた加代子がしかる。まるで親子のようだと周りに笑われた。うぅ・・・
「いくら寝不足だからって、変な行動しないでよ」
「へーい…………スースー」
「…もう寝てるし」
加代子は溜息をついて自分の席に座った。一体この友人は何処までマイペースな人間なのだろう。長い付き合いではあるが、この友人は何を考えているのかよく分からない。
「スースー…」
「はぁ…まったく」
けれど、この友人は見ていて飽きない。この友人がいなかったら、自分はもっと退屈な日常を送っていただろう。そう思うと、友人にはいろいろと感謝せねばならない。もっとも、そう言うと「ケーキおごって」と言いかねないので実際に言葉にはしないが。
「フフ・・・」
気持ちよさそうに寝ている友人をみて、加代子は微笑んだ。
「――――の!――――桜野さん」
「…ん」
「桜野さん!いつまで寝ているつもりです?」
怒っているような声が聞こえ、閉じていたまぶたを開けると、目の前にはすごい形相をしている先生がたっていた。この先生がいるということは地理なのだろう。クラスメイトの視線が此方に向いている。
「…すみません」
ここはさっさと謝っておくべきであろうと考え、素直に謝罪した。しかし、このおばさん教師の説教が十分ぐらい続いた。やっと終わったと思ったら、今度は問題を解かされた。
「……なんですか、これ?」
「あーら、先ほど貴方が寝ている間に行ったないようですわよ?」
嫌みったらしく言うおばさん教師にいらついたものの、自分が寝ていたことには変わりないのでここは静かに嫌味を聞いていよう。おばさん教師は私が黙ったことに満足したのか、しかたないですわね。わたくしは優しいので今回だけは見逃してあげましょう。などと言いやがった。これで切れなかった私はなんて心がひろいんだろう。
「では、神崎君。代わりに解いてください」
「……はい」
神崎君と呼ばれた生徒は、立ち上がるとさっさと黒板に答えを書いて席についた。私は神崎っていう生徒が問題を解いている間に席についた。神崎って言う人が席について気がついたのだが、その人は後ろの席だったらしい。
「……ちっ」
帰り際にしたうちが聞こえた。おいおい、それは私に言っているのか。まぁ、確かに私が悪いのだから後で謝っておくことにしておこう。
「それじゃぁ、今日は此処まででざます。桜野さんは原稿五枚の反省文を出して提出してくださいね」
「またか……」
ま、いつものことだから特に気にはしていないのだか。私は鞄から原稿五枚を取り出した。おっと、その前に謝罪しておかなければ。これでも最低限の礼儀はあるもんで
「後ろの方」
「…あ?」
わー不機嫌。でも私にはそんなことどうでもいいことなんで。ちゃっちゃと謝っておこう。
「先ほどはまことに申し訳ありませんでした」
「…………は?」
後ろのお方(名前忘れた)は、意外そうに目を見開いた。私って礼儀なさそうに見えるのかな?ま、別に良いけど。そんなことよりさっさと原稿書き終えよー。
「えーとまずは、美しく艶やかで素晴らしい先生の…」
こうして、私はさっさと書き始めた。
「……終わったー」
今回は、先生のほめ言葉ばっか書いて、途中で謝罪文を入れた程度だ。めんどくさかったな~
「変な文だな」
「そ?別に気にしなくて良いんだよ」
後ろから声が聞こえたので一応返しておいた。変な文といわれても特に気にはしない。いまさらだが、いつもうるさい周りが静かだな。と不思議に思って辺りを見回してみると、誰もいなかった。次は体育だったようだ。
「ま、いっか。昼休みに渡せばいいや」
なぜ後ろの人がいるかは知らないけど、そんなこと私にはどうでも良いので、遅れるけどグラウンドに行ってみよう。着替えるのは面倒だと思ったのだが、説教を食らわされるよりわ数倍もましなので、早く更衣室に行こう。
「おまえ、変な奴だな」
「…?そりゃどうも」
教室に出て行くときにそういわれたので一応返事はしておいた。とにかく早く更衣室に行くことが優先だったので、このとき私はなぜこの男がそんなことを言ったのか、本当の理由を理解していなかった。
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