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  遥かなる平凡の日々へ 作者:水城 光
第一章 狂いだした歯車
始まりⅡ

「ふあ~ぁ」

ねむー。いつまでこの話続くんだ・・・。校長先生の話とか本当に滅びればいのに

「・・・最後に、皆さんに紹介したい人たちがいます」

紹介?ンな事いいからさっさと終わってくれないかな・・・いい加減、マイオアシスの図書館で寝たいんですけど?

「今日から皆さんと一緒に生活することになった、『スクールプリンス』の方々です!」
「「「「「キャアァァァァァァァァァァ!!!!!」」」」」

校長先生の言葉とともに、学校中に女子の悲鳴に近い歓声が響き渡った。悠葵は、耳を手でふさいだ。他の男子も同じようことをしている人が沢山いた。あたりまえだろう

「今朝の人たちかな?」
「絶対そうだって!」

周りの女子達が興奮気味に会話をしている。スクールプリンス?なにそれ、聞いたことないけど?新しいスイーツ?早くコンビに行かなきゃじゃん!

「紹介は、クラスでやってもらう。それじゃ、解散」

学校で人気のホストみたいな顔立ちの何とか先生が言った。女子は、はーい。と可愛らしく返事をしたが、あれの何処が可愛いのか?私には一生理解できない。と言うかしたくない。

「ねーむーいー・・・」

私はまたあくびをした。加代子が呆れながら何か言ってたきがするけど、まぁいっか。





「席つけー」

担任のホスト先生がまだ興奮の抜けていない女子に言った。女子はホスト先生の顔を見るとすぐに席についた。どんだけ先生の事好きなんだよ

「んじゃー。今朝集会で紹介したうちの一人が、此処のクラスになった」
「うそー!?」
「やったぁ!!誰だろ?」

一気に女子が騒がしくなった。今度から学校に耳栓持ってこようかなー?

「入って来い、神崎」
「・・・・・」

『神崎』と呼ばれた男子が、無表情で教室に入った。クラスは一気に騒がしくなった。もーめんどくさいなー。悠葵は、机に顔の右頬をくっつけた。悠葵の席は窓側の後ろから三列目なので、ぼーっと外の風景を見ていた。

「それじゃ・・・・」

ホスト先生が何か言ってるけど、そんなことはどうでもいい。それより早く図書館行きたいな・・・。そんなことをずっと考えていた悠葵は、後ろの席に誰かが座ったことに気がつかなかった。

「それじゃ、HRはここまでー。次の授業に遅れんなよ?」

ホスト先生は、最後にそう言って教室を出て行った。最初の授業は確か・・・。悠葵は、時間割をチェックした。

「げっ・・・」

思わず、大きな声がでる。それもそのはず、一時間目から悠葵の大嫌いな数学なのだ。しかも、ホスト先生だ。悠葵は席を立つとカバンを持って教室を出た。教室を出ようとした途中、どこかから視線を感じた気がしたが、気に留めなかった。

「図書館いこ」

やはり、行くところといったら図書館以外はありえない。悠葵は図書委員で、しょっちゅう図書館に行っているので、担当の先生が特別に図書館の鍵をくれたのだ。なので、悠葵はいつも図書館に出入りできるわけだ。

「それにしても、今度の話は逆ハーか・・・」

悠葵は、図書館に向かっている途中に次から連載を始めるストーリーについて考えていた。これでも、インターネット上だけの話ではあるが、それなりの人気はある。しかし、感想コメントに『つきは逆ハーレム系でお願いします!』とのご要望が多かったのだ。一応挑戦はしてみるつもりだが、いったいどう話を構成すればいいのだろう?前回の話では、多少は逆ハー要素を入れたつもりなのだが、読者はもっと逆ハー要素を入れてほしいらしい。

「めんどくさいなぁ」

とにかく、図書館でそれらしき要素の入った本を読んでみよう。ここの図書館は尋常じゃないほど広い。さまざまな種類の本がおいてある。けれど、校内の奥にあるので、そこまで生徒は来ない。悠葵にとっては、嬉しいことなのだが。

「よし」

もうすぐ授業が始まるので、図書館には誰もいない。手に持っていた鍵でドアを開けた。ドアを開けると、すぐに電気をつけていつもの席に座った。カバンを慎重において、恋愛小説コーナーに向かった。

「んー・・・これと、これと・・・」

裏のあらすじを読んで、逆ハー要素が少しでも入っていそうな本を次から次えと手にとって言った。ざっと十冊ぐらいか。いや、もう少し多いかな?まぁ、それぐらいの量の本を先ほど自分がカバンを置いた席に置く。

「二百ページちょいか」

ページ数はあまり多くないので、この時間内に三冊ぐらいは読めるかもしれない。後の数冊は昼休みと放課後にまた読めばいいだけの話しだ。

「さて、と・・・読むか」

悠葵は、一冊目の本を手に取った――――――――――.....





 キーンコーンカーンコーン

「ふぅ~」

授業の終わりのチャイムとともに、丁度読み終わった四冊目の本を閉じる。意外と早く読めたことに驚くが、早くしないと次の理科の授業まで遅れそうなので、さっさと残りの数冊の本を元に戻す。題名は殆ど覚えたので、次ここに来るときはもっと早く探せるだろう。

「こんなもんか・・・」

読んだ四冊の本だけは、借りることにした。此処の本は、期限までに間に合えば何冊でも借りていい決まりだ。鍵を持って、図書館のドアを閉める。

「あーもう始まる・・・」

足を急がせ、一階したの二年生の教室まで戻ろうと考えたが、めんどくさかったのでそのまま直で理科室に向かうことにした。確か今日は第一理科室だったはず。

「また黒べぇに怒られるー」

黒べぃこと黒部 つ・・・何とら先生は、遅刻すると愚痴口うるさい。それ以外はさっぱりしていて授業の説明も分かりやすいと生徒達には人気だ。のくせに、私にだけは愚痴口と何かといってくる。前なんか、十分授業に遅れただけなのに原稿用紙十枚分の反省文を書かされた。面度くさかったから、おんなじこと適当に書いておいたけど。

「ついたー」

何とかぎりぎりで理科室についた。後数分で始まるというのに、クラスの連中は騒がしい。主に、転校生の周りだけだが。ってか、転校生居たんだ。

「・・・・・」

転校生は窓側の席に座っていて、その周りに人だかりができている。私はいつもと同じ窓側の二番目の席に座る。その前の前に転校生は座っていた。

「邪魔だなぁ~」

自分が退けばいい事なのだが、此処の辺りは日当たりがいい。眠気を誘うにはもってこいの場所だ。悠葵が、大きな欠伸をしたと同時に、理科室のドアが開いた。生徒目線が一気に集まる。それからすぐに転校生の周りにいた人だかりはなくなっていく。皆、黒べぃを怒らせたくないのだ。

「桜野か。今日は遅刻していないようだな」
「・・・・うぃ」

適当に返事をすれば周りから笑い声が聞こえた。私は欠伸をすると、また外の景色を眺めた。

「~~で、あるからして・・・」

その間も、授業は進んでいく・・・


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