RSSリーダー
メルマガ登録

トップ > 政治・社会 > 松下政経塾より粗悪 橋下「維新政治塾」の内実

松下政経塾より粗悪 橋下「維新政治塾」の内実

【政治・経済】

楽天SocialNewsに投稿!
2012年2月14日 掲載

3000人超が応募

<チルドレンはもう結構>

 政治の劣化が止まらない。橋下徹大阪市長が代表を務める「大阪維新の会」の政治塾に3326人の応募があった。この中から衆院選の候補者が誕生する見込みだ。「300人擁立、200人当選」の橋下構想は、彼らが支える格好である。しかし、この政治塾、野田首相らが学んだ松下政経塾と比較にならないほど、お粗末である。政治家の粗製乱造が当たり前になれば、国家は滅ぶ。

「新しい国家経営を推進していく指導者育成」――松下幸之助の理念で設立された松下政経塾には、曲がりなりにも“学び”があった。全寮制で、研修期間も4年間(当初は5年間)と長い。入塾を許されるのも毎年10人以下という狭き門だ。塾生は自らテーマを決め、現場で体験し、学習していく。常勤の講師はいないが、かつては幸之助も手ほどきした。
「地盤」「看板」「カバン」がない政治家志望の若者を育てようという思いはあったのだ。
 それでも成果がサッパリなのは、野田政権の迷走を見ても明らかである。玄葉外相、松原国家公安委員長、前原政調会長、樽床幹事長代行と、政経塾OBは閣僚や党役員として重要ポストに就いているが、“新しい国家経営”はまったく見えてこない。
 彼らがリードする増税や復興、TPP、米軍基地移転で、国民の暮らしはグチャグチャだ。
 じっくり育ててもこれである。橋下の政治塾は、さらにタチの悪い政治家を生みそうだ。「襤褸(らんる)の旗 松下政経塾の研究」の著者でジャーナリストの出井康博氏が言う。
「維新の政治塾に入れば、次期衆院選に立候補できる可能性は高い。政治家の志望者が大量に集まったのもムリはありません。ただ、そのために受ける講義は月2回だけ。しかも、総勢2500人を5グループに分けて開講する方針というから、500人単位の塾生をまとめて教育することになる。こんなシステムから有能な政治家が生まれるとは思えません。要するに、この塾は、手っ取り早く橋下チルドレンを大量生産するための仕掛けに過ぎないのです。本気で政治家を育てる気があるのなら、衆院選向け公約集“維新八策”を公表してから募集するはず。その前に人集めをしたのは、チルドレンづくりが目的ということでしょう」
 応募者には地方議員や大学教授、官僚、弁護士といった面々がいるそうだが、橋下頼みでノシ上がろうという魂胆がミエミエだ。だれかのためではなく、自分のために政治家になりたい人たちばかりではないか。
 それでも次期衆院選は、維新政治塾の出身者が次々に当選する公算は大きい。日本を悪くする政治家を生んだ松下政経塾を、さらに粗悪にした塾から生まれる政治家たちが永田町を闊歩するのだ。
 この国の終わりは、本当に近い。
~2012年2月14日以前の記事~

オススメ情報

恋愛

悩み

ビジネス

家電

健康

ゲンダイ オンライン
グルメ情報