全国の高速道路に比べて割高な本州四国連絡高速道路料金について、国土交通省は17日、14年度から東日本、中日本、西日本の高速道路3社と共通の水準(全国水準)まで引き下げる方針を大阪府や岡山県など沿線10府県市に表明した。値下げを実現するため、高速道路3社の路線収入を本四高速の債務返済にも回せるよう料金収入を一元管理する全国プール制に移行することや、2050年までとしている債務償還期間を延長することも検討する。国交省は12年度中に具体的な実施方針を固める方針だ。
ただし全国プール制への移行は、収益基盤の弱い本四高速道路会社の救済にはなるが、高収益路線の稼ぎを原資に不採算路線を造り続けた旧日本道路公団方式の復活につながりかねない側面がある。債務返済計画が狂う高速3社が難色を示す可能性も高く、すんなり実現するかどうかは不透明だ。
全国プール制移行や債務償還期間の延長は、沿線10府県市が同日国交省に実現を要望した。10府県市は財政事情の厳しさを理由に、本四高速の債務返済などに充てる出資金の継続負担に反対してきたが、プール制移行などを国交省が検討課題とすることを認めたため、12年度から2年間は負担額を減らした上で、支払いに応じることに方針転換した。
本四高速については今年4月からの2年間、暫定措置として普通車以下の休日料金を現在より4~5割程度値下げする案を国交省は提示しているが、実際の値下げ額は、「10府県が表明した出資金の減額規模に応じて左右される」(同省)という。【三島健二】
毎日新聞 2012年2月17日 20時55分(最終更新 2月18日 16時45分)