天皇陛下の手術…“神の手”医師が執刀!映画、TVドラマ監修も

2012.02.17


東大病院に到着された天皇陛下と皇后さま=17日午前(代表撮影)【拡大】

 天皇陛下は18日、東京大学医学部付属病院(東京都文京区)で心臓の冠動脈バイパス手術を受けられる。執刀するのは東大と順天堂大の合同医療チームで、メスを握るとみられるのは順天堂大医学部の天野篤・心臓血管外科教授(56)だ。東大系ではない医師が担当するのは異例中の異例だが、この天野氏、「神の手」と称される名医で、バイパス手術のスペシャリストとして知られている。

 天皇陛下は心臓の冠動脈バイパス手術に備え17日午前、東大病院に入院された。狭くなったり、詰まったりした冠動脈の血管内部を迂回するように、別の血管をつないで血液を流す手術を受けられる。

 その大役を担うとみられるのが天野氏だ。

 同氏は3浪の末に日大医学部に入学。卒業後は関東逓信病院を皮切りに亀田総合病院などを経て、2002年に順天堂大の教授に就いた。心臓手術を専門とし、なかでもバイパス手術では「日本一」「スペシャリスト」として名高い。現在、年間200例以上の手術を手掛ける心臓血管外科を率いている。

 テレビでは「平成のゴッドハンド」として紹介されたこともあり、心臓外科医が登場する映画「チーム・バチスタの栄光」やテレビドラマ「医龍−Team Medical Dragon−」の医療監修も手掛けた。

 これまで3000件を超える心臓外科手術の経験がある東京ハートセンター(東京都品川区)の南淵(なぶち)明宏センター長は産経新聞の取材に対し、「天野教授は早くから人工心肺装置を使わない手術に取り組み、バイパス手術では日本一の医師」と評価。仙台厚生病院(仙台市)の柳沼厳弥院長代行も、5時間と予想される手術時間に「天野先生ならば3、4時間あれば問題ない」と信頼を寄せる。

 天野氏は早くから才能に溢れていたようで、医療者向けサイト「ベストケア東京」のインタビューでは、指導してくれた14歳上の部長の手術を見たとき、《2回目には「自分の方が上手くできる」と確信を持ちました》。ただ、知識も技術も先輩を追い越したためか、その後、部長らとの関係が悪化し、《最後はクビです》というエピソードを明かしている。

 やや勝ち気な一面もあったようだが、いまの天野評はすこぶるいい。

 09年4月8日の本紙「ニッポン名医列伝」では、後輩の医師から「部下や後輩の面倒見がよく、また組織に対しても言うべきことはきちんと言う。高名な先生なのに偉ぶるところがない本当の紳士」などと絶賛されている。

 宮内庁によると、陛下の手術は18日午前に始まる予定。順調に回復されれば、2週間程度で退院される見通しという。

 

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