2012-02-03
荒川静香さんを捏造で中傷…謝罪せず誤魔化す産経新聞
<東京都墨田区の匿名希望さんからの投稿>
ネットから削除されてしまいましたが、下記のコラムをお読みになったでしょうか。
【戯言戯画】荒川静香さん 「クール」は氷上だけにして(1月23日付12面)
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/120123/ent12012308150001-n1.htm(削除)
あのイナバウアーで世界を魅了してからまもなく6年になるが、今でも「クールビューティー」といえばこのトリノ冬季五輪金メダリストをさす。あまたの女優を差し置いて。最近はバラエティー番組で笑顔を振りまいてもいるが、基本はあくまでクールビューティー。顔に貼り付いている。
しかし、この「クール」がくせ者。彼女の場合、「冷静」というよりも「冷たい」というニュアンスのほうが強いようだ。海外メディアからもらったこの代名詞、返上しろとは言わない。ホットな荒川静香というのも似合わないだろうけど、せめてリンクの放送席ではもう少し血の通った解説ができないものか。
昨年暮れの全日本選手権でかつてのライバル、浅田真央選手が優勝した。誰が見てもただの優勝ではなかった。東日本大震災があった年の暮れに、病気で母親を失ったばかりの21歳の娘が、悲しみをこらえての逆転優勝だ。私などは彼女が氷上に現れただけで、こみ上げるものがあった。フリーを滑り終え、会場を包んだ温かい拍手。すかさずキャスターやもう一人の解説者は心のこもった言葉を発した。ところが荒川解説者ときたら、「いいプログラムでした」とだけ。
えっ?とわが耳を疑ったのは私だけでないはず。優勝インタビューで浅田選手は「お母さん」という言葉を封印していた。こちらもその気持ちが痛いほど分かっただけに、クールすぎる荒川解説との落差が余計に目立った。もちろん悪気はないにしても、あれじゃ“KY”の極み。この苦言、クールに受け止めてもらいたい。(山根聡)
1週間後に次のような記事が載りました。
荒川静香さん 「戯言戯画」の後日談(1月30日付16面)
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/120130/ent12013007370002-n1.htm(削除)
昨年末の全日本フィギュアスケート選手権では浅田真央選手が優勝。その瞬間をテレビで解説したトリノ冬季五輪金メダリスト、荒川静香さんの「クール」な解説ぶりについて、23日付で次のように書いた。
〈東日本大震災があった年の暮れに、病気で母親を失ったばかりの21歳の娘が、悲しみをこらえての逆転優勝だ。(中略)すかさずキャスターやもう一人の解説者は心のこもった言葉を発した。ところが荒川解説者ときたら、「いいプログラムでした」とだけ〉
中継を見て感じたままを書いたわけだが、実はこの荒川さんコメント、番組の方針に沿ったものだったことが後で分かったので、報告させていただく。
全日本選手権は例年通りフジテレビが放送。同局によると「スポーツ中継の域を逸脱することなく、特に、選手のご家族のご不幸に、ことさら焦点を当てるような番組にはしない」という方針に基づき、荒川さんの解説も「行っていただいた」のだという。
そうならば、あの解説は、「クールビューティー」が代名詞の荒川さんが、「冷たく」でも「KY」でもなく、持ち前の「冷静さ」をフルに発揮した場面だったということになる。
読者からも「荒川静香さんはいろいろ考えた末に『いいプログラムでした』と言ったと思う」との指摘があった。
東京五輪以来、スポーツ中継を情緒的に見る癖が染みついている。平たく言えば、そのほうが面白いからだ。一方で、スポーツ解説は基本的にクールであるべきだとも思う。なるほどなぁと、観戦の面白さを倍加させてくれるからだ。ともあれ、次の中継を待ちたい。(山根聡)
事実誤認で中傷したにもかかわらず、荒川さんや読者への謝罪記事ではなく「後日談」という他人事のようなタイトル。そして、「そうならば…ということになる」「ともあれ、次の中継を待ちたい」。こそこそネットから消す…。ひどすぎます。産経新聞は、間違ったら素直に詫びるという礼儀を知らないのでしょうか。愛読してきただけにとても残念です。
それだけではありません。中継を見直して恐ろしくなりました。荒川さんのコメントは産経新聞が書くように「『いいプログラムでした』とだけ」などという、あっさりしたものではありません。
動画をご覧ください。
【荒川静香さんの実際の発言】
そうですね。あの、後半で2つ、ジャンプがあの、乱れてしまったのがあったんですけれども、数日間氷に乗れなかった時期が、あの、試合の前2週間の間にありましたから、その分体力というのも非常に、あの、ま、この大会に合わせていくのに難しかったところもあったと思うんですね。ですけれども、最後までこのプログラムは、あの、2シーズン目ですので、本当に音楽を自分のものにとらえて、そして音楽に合わせて滑り込みができているという、ほんとにあの、彼女に合ったぴったりのプログラムだなっていう、ほんとにあらためて毎回見るたびにプログラムの良さも感じました。
この長い発言のどこが「『いいプログラムでした』とだけ」なのでしょうか。荒川さんの解説に「クールすぎる」「“KY”の極み」という印象は受けませんでした。1月23日の記事は、事実誤認記事ではなく捏造報道です。
中継したフジテレビの経営陣も怒っていることでしょう。
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