先週、延世大附属原州キリスト病院の救急センターには、自殺を図った人が10人も運ばれてきた。75歳の男性、58歳の女性、13歳の中学生など年代はさまざまで、大部分は薬物を大量に服用したり、手首を切ったりして意識を失った状態だった。同病院の救急センターだけで、自殺を図った人が1年間に約400人搬送されている。
■OECD加盟国で自殺率トップ
韓国国民の自殺をめぐる問題が、予想以上に深刻化していることが明らかになった。2010年、自殺によって死亡した人は1万5566人に上り、10年前の00年(6444人)に比べ約2.4倍に達した。人口10万人当たりの自殺者の数も、00年の13.6人から、10年には31.2人に増え、経済協力開発機構(OECD)加盟国の中では最も多い。現在も1日平均で42.6人が自ら命を絶っている。
本紙が17日、統計庁と保健福祉部(省に相当)の資料を分析した結果、韓国の成人(18歳以上)563万人(6人に1人の割合)が、これまでに1回以上自殺を考えたことがあった。過去1年間に自殺を考えた成人は134万人(3.7%)で、このうち11万人(0.3%)が実際に自殺を図り、1万5566人(10年)が死亡した。
自殺率は年齢が高くなるにつれて上昇し、80代以上の自殺率は20代に比べ5倍も高い。統計庁のソ・ウンジュ人口動向課長は「韓国では高齢者の自殺が、ほかの国に比べ際立って多いのが特徴だ」と語った。
このように自殺が急増したのは、うつ病などの精神疾患が急増したことと関連がある。自殺を図った人の75.3%は、1種類以上の精神疾患にかかった経験があった。男性はアルコール依存症(50.7%)、女性はうつ病などの気分障害(49.6%)やパニック障害などの不安障害(42.6%)を患った人が多かった。