防衛相失言恐れ「専守防衛」沖縄県は失笑
沖縄県庁で18日行われた田中直紀防衛相と仲井真弘多知事の会談は、田中氏たっての希望で冒頭部分以外はすべて非公開となった。野党から閣僚としての資質を追及されているだけに、失言を警戒して「専守防衛」に徹した格好。沖縄県側からは「慎重にやりたいんでしょう」と失笑が漏れた。
県によると、知事の公式日程に記す県内での会談は、相手側の要望がない限りはすべて報道陣に公開してきた。「沖縄方式」と呼ばれ「1990年代の大田昌秀知事以来、ずっと行われていた」(県幹部)。
就任後初となる1月の沖縄訪問で田中氏は、知事と沖縄方式で会談した。ただ、あいさつから手元の紙をずっと読み上げ、過去の沖縄訪問を知事から聞かれると島の名前を言い間違えて、厳しい批判を浴びていた。
今回の会談予定時間は15分間。非公開の方針を聞いた沖縄防衛局は「会談を公開した方がいい」と防衛省に進言したが「田中氏の意向だ」とはねつけられた。
県民から「密室談合」との誤解を受けないよう、県は防衛省関係の会談は公開でなければ受け付けない方針だったが、警戒心の強い田中氏側に押し切られたようだ。
これまで、機微に触れるテーマを話し合う場合、閣僚らが県庁を少し早く訪れ、公式会談の前に知事らと少人数会合に臨んだことはあった。だが、田中氏のようなケースは「前代未聞」(県幹部)だという。(共同)