2011年12月20日 20時29分 更新:12月20日 23時46分
【北京・米村耕一、ソウル西脇真一】北朝鮮の国営メディアによると、死去した金正日(キム・ジョンイル)総書記の三男で後継者の正恩(ジョンウン)氏が20日、金総書記の遺体が安置されている平壌・錦繍山(クムスサン)記念宮殿を訪れ、弔意を表した。金総書記の死去後、正恩氏の動静が単独で伝えられたのは初めてで、序列も1位で報じられた。正恩氏を偶像化する国営メディアの報道も続いており、後継作業の進展を内外に印象づけている。
朝鮮中央テレビはこの日、宮殿での追悼式の模様を伝え、金総書記の遺体を初めて映し出した。透明なケースに納められた遺体は赤や白の花に囲まれ、首から下は赤い布で覆われている。韓国の聯合ニュースによると、遺体は防腐処理され、この宮殿に安置されている父金日成(キム・イルソン)国家主席と同様に永久保存されるとみられる。
国営メディアは、党、国家、軍の幹部を伴って遺体に向かって黙とうする正恩氏の姿も伝えた。正恩氏は「最も悲痛な心情」で哀悼の意を示したという。正恩氏を「党と軍と人民の卓越した指導者」とし、正恩氏の下で団結するよう呼びかけた。
一方、韓国政府は20日、総書記死去に対し「北朝鮮の住民に慰労の意を伝える」(統一相)と弔意を表明した。
中国の楊潔※外相は20日、クリントン米国務長官、金星煥(キム・ソンファン)韓国外交通商相と相次ぎ電話で協議し、朝鮮半島の平和と安定への連携を確認。中国外務省は正恩氏訪中を歓迎する意向を表明した。(※は竹かんむりに褫のつくり)