2011年12月19日 10時36分 更新:12月19日 16時23分
東京大などの研究グループは、すばる望遠鏡(米ハワイ島)や米航空宇宙局(NASA)のハッブル宇宙望遠鏡を使って、129億1000万光年(1光年は約9兆4600億キロ)のかなたにある銀河を発見したと発表した。距離を正確に測定できた銀河では最も遠いという。約137億年前とされる宇宙誕生の約7億5000万年後という「夜明け」の時期に、非常に活発に星が生まれていたことも分かった。
遠くの天体から放たれた光は宇宙膨張の効果によって波長が伸びて赤くなる。研究グループは、観測データや高感度カメラの画像から、赤い光を確認した。この銀河の大きさは天の川銀河の20分の1程度と小さいが、宇宙初期の他の銀河に比べ、10倍以上活発に星が生まれていた。
研究グループの東京大大学院生の小野宜昭さんは「謎に包まれた宇宙の成り立ちを知る上で、重要な手がかりになる」と話す。【斎藤広子】