和田監督、ノムさんに反論「何を言っとるんだ…２、３位狙いはない」

　「阪神春季キャンプ」（１７日、宜野座）

　野村さん、見ていてください‐。阪神の和田豊監督（４９）は１７日、大型補強を敢行した巨人を倒してのＶ奪回を宣言した。この日、宜野座球場を訪れた元監督で野球評論家の野村克也氏（７６）に、巨人独走への懸念からＡクラスを狙うべきとのアドバイスに反論したもの。盟主・巨人打倒に闘志を燃やした恩師・ノムさんの教えを、指揮官が継承する。

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　恩師の言葉に、自分がやるべきこと、進むべき道を再確認した。和田監督は、巨人の独走を懸念した野村元監督の発言を受け「逆にそういうチームをたたくのはやりがいを感じる。だからおっしゃるような２位、３位狙いは全くない」と敢然と言い切った。

　この日、阪神キャンプを訪れたノムさんは昼過ぎまで、和田監督とともに投内連係やブルペンを視察。その後、球場を離れる際に指揮官とどんな会話をしたのか問われると、いきなり毒舌をさく裂させたのだ。

　「巨人がすごいチームづくりをした。大変だな、と。下手するとジャイアンツの独走になる。Ａクラス狙いの方が、いいんじゃないか。３位か２位に入ればチャンスはある。短期決戦は分からないから」

　本気なのか、冗談なのか。いずれにしろこの発言を伝え聞いた和田監督は、思わず「何を言っとるんだ…」とつぶやいた。ただ、１９９９年から２年間は監督と選手、０１年は選手兼任打撃コーチとして指導を受けた恩師の真意は理解している。

　「うちがどうのこうのじゃない。それくらい巨人の戦力というところで、世間の評価も現段階ではそういうもの」と和田監督。杉内、ホールトン、村田ら大型補強を敢行した巨人は昨季とは別次元の強さを誇る。そんな警告と受け止め「どう勝っていくかを考えていくのも、また楽しいよね」と言ってのけた。

　その下地になるのが“野村の教え”だ。ノムさんの虎将時代は３年連続最下位。和田監督は「今よりもっと差があったと思う。その中で弱いなりに戦術を駆使して」と振り返る。その上で「今は決して弱くないし、もうちょっと何とかすれば。野村さんの考えはすごく参考になる」。特に統一球での野球では、少ないチャンスでいかに得点し、いかに失点を防ぐかが焦点になる。

　「選手や兼任コーチ時代に教えていただいたものを、引き出しとして持ってやっていかないと。それプラス、きょういろんな話をさせてもらって参考になった」と指揮官。この日は、具体的なチーム戦術にも話題が及んだという。

　「３年間で、とことんそういう話は勉強させてもらってる。それを選手に伝えるにあたって、もしくはどう点を取るかにあたっての話を聞かせてもらった」。打倒巨人の青写真はすでに描き終えている。


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