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県内の有機農家が苦境、原発事故で売り上げ減少/神奈川

2012年2月18日

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300羽の鶏を育てる和田さん。原発事故後、餌には念のため気を使っているという=山北町皆瀬川

300羽の鶏を育てる和田さん。原発事故後、餌には念のため気を使っているという=山北町皆瀬川

 東日本大震災に伴う福島第1原発事故で、県内の有機農家が苦境に立たされている。無農薬・無化学肥料を求めていた人たちが、「放射能への懸念から東日本の野菜を買い控えるようになった」(県内の有機農家)ためという。「食の安全」に対する意識がより高い顧客に支えられていたからこそ、事故の影響が顕著に出ている。

 三浦市初声町下宮田で直売所のほか、飲食店へ無農薬・無化学肥料野菜を販売する「たかいく農園」は、昨年6月から三重県に拠点を移し始め、今年3月までにほぼ移行する。

 「じくじたる思い」と話すのは、同農園の高梨英子さん(47)。夫の清さん(43)とともに、4年前から1万6千平方メートルの畑で、現在の農法で土作りを続けてきた。

 原発事故後に収穫された野菜の放射能測定では関西並みの数値だったため、販売は続けたものの、売り上げは5分の1に激減した。

 三重県では「たかいく新舎」として昨年7月から4500平方メートルの農地を借りて野菜の栽培を始めている。農業者向きの住まいも見つかり、今後は農地をさらに増やす。

 山北町皆瀬川の和田一良さん(34)は、周辺の草や街で手に入れた残飯などを餌にして鶏を育て、その鶏の卵のほか、鶏ふんや堆肥などで育てた野菜を個人宅配で販売している。

 だが、足柄茶から暫定基準値を超える放射能が検出された後、顧客は2、3割減。1カ月に卵や野菜を70、80箱発送していたが、50箱に落ち込んだ。

 「野菜も卵もやめる人もいれば、野菜は買っても卵はやめるという人もいた。おそらく、餌にしている周辺の草のセシウムが卵に移行すると思い込んでいるのでは」と和田さん。念のため、水たまりの草や、北関東の野菜くずは鶏に与えないようにしている。

 昨秋からは新規の客が付き始めたが、「来年度は堆肥などを検査してお客さんに示すつもり」。しかし、手間と費用負担が悩みの種だ。

 そんななか、低価格で測定を請け負う任意団体も出てきている。横浜市中区根岸旭台にある「むすび養生園☆放射能測定室」では、18、19日に県内の有機農家たちでつくる有機農業ネットワーク神奈川を対象に田畑の土の測定を請け負う。

 むすび養生園代表の山口まことさん(48)によると、原発事故後、多くの有機農家の顧客数は減った。地元の落ち葉堆肥などを使わないようにして、西日本などから取り寄せるコストもかかっている。

 「これまで一般の測定機関では費用が高くて測定できない生産者が多かった。神奈川の人が神奈川のものを安心して食べられるように協力したい」

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