首都圏男性連続不審死事件 まるでファッションショー、公判で同じコーディネートはなし
首都圏で起きた連続不審死事件で、3件の殺人の罪などに問われている木嶋佳苗被告(37)の裁判員裁判。木嶋被告は17日、法廷で初めて事件の真相へとつながる自らの過去について語った。こうした中、木嶋被告は、法廷を舞台に、ファッションショーのごとく衣装を変え、女優のように振る舞っている。
弁護側の「関係を持った男性は?」の問いかけに、木嶋被告は「20人弱だったと思う」と語った木嶋被告は17日、黒いワンピースに白いカーディガン姿で法廷に現れた。
被告人質問で、まず弁護側が男性3人の殺害について質問した。
弁護側の「殺害しましたか?」、「練炭に火をつけましたか?」、「睡眠薬をのませましたか?」との質問に、木嶋被告はそれぞれ、「していません」、「つけていません」、「のませていません」と証言し、あらためて無罪を主張した。
その一方、疑惑の婚活に至るまでの質問から垣間見えたのは、「金への執着」と「複雑な男性遍歴」だった。
「どのくらい会っていた?」との弁護側の質問に、木嶋被告は「平均して月に2〜3回。会う回数が増えるにしたがって、少しずつ(金額が)上がっていった」と答えた。
あわせておよそ20人。
同時に、複数の男性と結んでいたという愛人契約による収入と、デートクラブで生計を立てていたという。
木嶋被告は「(収入は)月150万円くらいで、貯金は一切していません。たまに競馬をやったり、スロットマシンにはまったこともありました。一生懸命節約しても、(月)100万円を切ることはなかった」と語った。
月100万円を超える浪費と、不審死との関係について、裁判での解明が待たれる。
こうした中、もう1つ注目されているポイントがあった。
第1回公判から取材を続ける斉藤大輔記者は、「木嶋被告は、とにかく洋服をたくさん持っています。そして、毎日、違うコーディネートで法廷に現れています」と語った。
木嶋被告は初公判の際、午前は水色のカーディガンで、午後には紺のジャケットと、前代未聞の衣装替えをした。
上着ばかりではなく、別の日には高級ブランド「FENDI」のロゴが大きく描かれたスカートを着用。
そして、17日も黒と白のモノトーンで決めたかと思いきや、退廷時には、まぶしいほどの黄色いダウンベストを羽織った。
斉藤記者は「通常、被告ですと、地味な色を着てくることが多いと思うのですが、木嶋被告の場合、ピンクや水色といった、鮮やかな洋服で来ることが多くあります。いつも、胸元が大きく開いた服で来ることが多いですね」と語った。
そのほかにも、ピンクのカーディガンや白いワンピースなど、23回の公判で、上着やスカート、さらに中に着るインナーをそれぞれ10着ほど用意し、その組み合わせは、1度として同じものがなかった。
その服装で、傍聴席をじっと見つめることもあった。
木嶋被告の被告人質問は、来週も続く。
(02/17 18:45)