福岡県は、九州電力の松尾新吾会長の親族が創業した建設会社「キューコー」(福岡市中央区)が建設業許可更新申請で虚偽の書類を提出したとして、同社に対する建設業許可を取り消した。
処分は16日付。同県建築指導課によると、同社は10年1月の建設業許可更新申請の際、建設業法に常駐が定められている専任技術者がいないにもかかわらず、常駐しているように装った虚偽の書類を出したという。
建設業許可の取り消しは建設業法の行政処分で最も重い。
同社は九電福岡支社の登録取引業者。九電や関連会社発注工事の下請けとして、08年6月期には5億1600万円の売り上げがあった。松尾会長は「創業者とは親同士がいとこの関係。九電の工事を受注したかもしれないが、それは会社の営業努力だ」として口利きなどの疑惑を否定していた。
県の処分について九電は「事実であれば、登録取り消しも含めて厳正に対処したい」とコメントしている。【林田雅浩】
毎日新聞 2012年2月17日 13時21分(最終更新 2月17日 14時36分)