過去に大地震が起きている、北海道東部の太平洋沿岸の海底に、海側の岩盤と陸側の岩盤の境目がほとんど動いていない「固着域」と呼ばれる領域が2つあるとみられることが、国土地理院の分析で分かり、専門家は、観測態勢を充実させる必要があると指摘しています。
国土地理院は、17日に開かれた地震予知連絡会の定例の会合で、北海道東部の太平洋沿岸の地殻変動の分析結果を報告しました。
それによりますと、去年3月の巨大地震が起きる以前の4年間の観測データから、太平洋プレートという、海側の岩盤が陸側の岩盤の下に沈み込んでいる千島海溝に近い海底に、岩盤の境目がほとんど動いていない「固着域」とみられる領域が見つかりました。
「固着域」は、十勝沖から釧路沖にかけてと、根室半島沖から色丹島沖にかけての2か所にあり、岩盤の境目にひずみがたまることで、今後、地震が起きる可能性があるということです。
北海道東部から北方四島にかけての千島海溝沿いの海底では、繰り返し大地震が起きていて、過去には広い範囲に大津波が押し寄せる巨大地震も起きています。
地震予知連絡会の部会長で、名古屋大学大学院の山岡耕春教授は、「北海道の沿岸でも巨大地震の可能性が明らかになりつつあり、海底の地殻変動などの観測態勢を充実させる必要がある」と話しています。
|
[関連リンク] |
|