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【社会】

千葉16地点 濃度に濃淡 河川の放射性物質 把握へ 環境省 都内でも本格測定

2012年2月18日 07時06分

 東京電力福島第一原発事故による河川への影響を調べようと、環境省は十七日、東京都と埼玉県内の荒川と隅田川で、放射性物質の濃度を測定する調査を実施した。首都圏の広範囲に拡散した放射性物質がどこにたまり、どのように東京湾などに移動しているのかを調べる目的で、同省による都心での河川の測定は初めて。

 調査は、隅田川の両国橋(中央、墨田区間)、荒川の葛西橋(江東、江戸川区間)、御成橋(鴻巣市)、笹目橋(戸田市)の四カ所で行った。河川の水や川底の泥を採集し、放射性物質濃度(一キログラム当たり)を測定。詳しい結果は三月ごろに判明する。

 同省は、首都圏では昨年八月の茨城を皮切りに千葉、栃木、群馬の四県で行い、結果を公表。

 東京湾に流れる千葉県内の十三の河川や運河など十六地点で行った測定では、川底の泥に含まれる放射性セシウムの濃度が一〇〇〇ベクレル以上の数値を測定した地点が八つあり、海老川の八千代橋付近(船橋市)で六四〇〇ベクレルを測定した。

 一方で、一〇〇ベクレル以下だった地点も三カ所あり、結果に濃淡があった。いずれも、国がそのまま埋め立てできるという基準にしている八〇〇〇ベクレルを下回っていた。

 同省の担当者は「今は、河川の中で放射性物質がどうなっているのかデータを蓄積している。今後、データの推移を見ながら、移行メカニズムも把握したい」と話した。

 同様の調査は大学などの研究機関でも行われており、全国の河川や海約三百地点の放射性物質濃度の測定をしている東京大学の鯉渕幸生准教授によると、放射性セシウムは粘土質のものに吸着しやすく、河川の中では浮遊しながら動いているが、途中で沈んでたまりやすい場所があるという。

(東京新聞)

 

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