東京都板橋区の住宅で14日、幼い姉妹が死亡した火災で、警視庁高島平署は出火時、2人がライターで遊んでいた可能性があるとみている。国は昨秋、子供が点火しにくい「チャイルドレジスタンス(CR)機能」のない使い捨てライターの販売を禁じたが、現場にあったライターは規制前の旧式だったという。関係省庁は板橋の火災を受け、旧式ライターの処分などを保護者に呼びかけるチラシを作成し、幼稚園や保育園などで配ることを決めた。
亡くなったのは会社員、原田幸八さん(22)の長女紫媛(しおん)ちゃん(5)と次女琉妃(るい)ちゃん(3)。同署によると、原田さんは「子供たちが(火災の2日前に)室内でライターで遊んで周囲が焦げてしまったので注意した」と話しており、激しく焼けていたこたつ付近で旧式ライターが見つかっている。
子供の火遊びによる火災が後を絶たないことから、国は昨年9月にライター規制を導入。東京都は昨年6月から半年間で旧式ライター約33万個を回収し処分した。だが経済産業省によると、使い捨てライターの年間流通量は約6億個で、「家庭に残っている旧式も多いはず」。CR機能には強い力を加えないと点火できないものもあり、「使いにくい」と、旧式を手放さない人もいるという。
経産省と消費者庁は旧式ライターの処分などを呼びかけるチラシを約50万部作り、3月にも配布する。【曽田拓、喜浦遊】
毎日新聞 2012年2月18日 11時25分(最終更新 2月18日 12時20分)