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埼玉・小川町 有機作物を味わえる町 自然酒を傾けながら野菜料理

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2012/2/15付
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 地元の有機食材と酒のおいしさを伝えたいと、酒蔵に隣接して和風レストラン「玉井屋」も開いた。自然酒を傾けながら味わう野菜料理などは、からだに染み込むようでまた格別だ。

100%無農薬米でつくる「おがわの自然酒」の晴雲酒造
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100%無農薬米でつくる「おがわの自然酒」の晴雲酒造

 駅の近くにある「べりカフェ」でも有機作物のランチが味わえる。有機農業を基盤としたまちづくりを進めようと地元の主婦らがつくった特定非営利活動法人(NPO法人)「生活工房つばさ・游(ゆう)」が運営。料理人とメニューが曜日によって異なる「日替わりシェフ」制で、月曜なら霜里農場の人たちが提供する新鮮な卵かけご飯、金曜なら保育園の元調理師グループがつくるからだに優しいご飯、といった具合だ。このほか町内には有機野菜食堂「わらしべ」などもある。

 その場で食べるだけでなくて、新鮮な有機作物を買って帰りたいという人には日曜午後1時に開く「久保マルシェ」がおすすめ。町内の有機農家が野菜などを持ち寄り即売する。町の中心からは少し離れたところにある久保製紙「紙すきの村」の目の前の空き地で開催するのでこの名がついた。すぐ売り切れてしまうことも珍しくない。

 久保製紙も「自然」にこだわる。通常、和紙であってもその製造工程ではいくつかの化学薬品を使う。ここでは薬品をまったく使わない手すき和紙もつくる。「シックハウス対策などでこだわりの家を建てるときの壁紙、障子紙としての需要がある」(5代目の久保孝正さん)

 旅の終わりには地元産の有機栽培の麦などでつくった地ビールでのどを潤してはどうだろう。駅近くの「麦雑穀工房マイクロブルワリー」で「滋味あふれる穀物感のあるビール」(醸造担当の鈴木等さん)を飲みながら、「食」や「環境」について思いを巡らせるのもいいかもしれない。

(編集委員 山口聡)

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<旅支度>都心から70分、紙すき体験も
 小川町へは東京・池袋から東武東上線の急行で70分ほど。霜里農場は奇数月に1回、一般向けの見学会を開いている。主催はNPO法人「生活工房つばさ・游(ゆう)」(電話090・4453・6355)。
 和紙の里らしく紙すきが体験できる。埼玉伝統工芸会館(電話0493・72・1220)や久保製紙(電話0493・72・0436)へ問い合わせを。子どもたちには仙元山見晴らしの丘公園にある全長203メートルのローラー滑り台がおすすめだ。町を見おろしながら滑り降りる。利用料は大人200円、子ども100円。

[日本経済新聞夕刊2012年2月15日付]

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