このページの本文へ

高齢者は「人生を生き抜いた知恵」を役立てよう

 高齢者の間には、経済的に豊かにもかかわらず、不満や不安から万引きに手を染める人々もいると聞く。これでは不良青少年と同じではないか。人生経験を積んできた大人として、なんと情けないことだろう。

 それは、生き甲斐や人生の目的を持ってないからではないのか。

 これではあまりに寂しい。第2の人生は、「稼いで生活を満たす」心から脱して、生き甲斐として、どう社会を良くしていくか、考えてみてもらいたい。

 何十年も社会で生きてきた能力を、このまま捨てるのはもったいない。培ってきた力を、「社会を良くすること」に、ぜひ活かしてほしい。「弁当代ぐらいは欲しい」などとケチなことを言わず、無報酬、手弁当で奉仕することだ。そうすると、社会がわずかずつでも良くなるだけではなく、自分も心が満たされるようになる。

 奉仕というと「特別なこと」と思うかもしれないが、そうではない。町の掃除でも何でも、社会に役立つことはある。どんなボランティアのやり方があるかは、第35回「高齢者は暇な時間を社会奉仕に使おう」に書いたので、参考にして頂きたい。

 犯罪に手を染めず、幸せな生活を高齢者が送る、もう1つのコツは、打ち込める趣味を持っておくことだ。できれば奥さんと同じ趣味を持ち、夫婦の会話を充実させる。趣味を通じて、若い人や仲間に貢献することもできる。釣りが趣味なら、一緒に釣りに行って、若い子に飲み物や食事くらい出してあげればいい。周囲のみんなが幸せで笑顔になれば、それだって社会貢献の1つの形だ。

 もっと楽しく、自分の力・自分の趣味を生かしつつ社会に貢献する道を、考えてみてはどうだろうか。

松村喜秀(まつむらよしひで)
松村テクノロジー社長。偽札鑑定士。セキュリティーアドバイザー。
松村 喜秀 1949年島根県生まれ。大手電機メーカーを経て独立、センサー技術などを手掛けるフリーの設計士となる。1983年、産業用機器設計・試作品製作を行う仕事を始める。87年、ソウルオリンピック向けに偽札鑑別機開発を大手企業より依頼され、翌年開発に成功、販売。北朝鮮製と思われる偽100ドル札を発見、「スーパーK」と命名し、世界的に有名となる。その後も多くの精巧な偽札を見破り、各国メディアに掲載、出演。
世界中の特殊捜査機関の講師・顧問を務め、日本の大学で講師も務めた。偽札鑑別機以外にも大手が真似できない特殊セキュリティー機器、指紋照合装置などを開発、約250件の特許を取得。クリスチャンであり、クリスチャンの長老(エルダー)を務める。
主な著作に、「ビッグバンで偽ドルがやってくる(旬報社)、「偽造鑑定人調査ファイル」(講談社)、「スキミング〜知らないうちに預金が抜き盗られる」(扶桑社)、「アナタの財布も危ない!ニセ札の恐怖」(扶桑社)。

ページ: 前へ / 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 /

SAFETY JAPAN Mail
「資産防衛」関連記事
「防犯」関連記事