郵便ハガキすら「偽造」される時代
高額印紙どころか、たった50円の日本の官製ハガキの偽物さえある。製造元は海外の犯罪グループだ。
50円程度のハガキの偽を作ってどうするのか、不思議に思う人もいるだろう。紙を手配して印刷してという手間を考えると、割に合うのだろうかと。
しかし、ここにも犯罪者なりの「理屈」がある。
つまり、額面が小さければ警戒もされず、「犯罪がばれにくい」ということなのだ。
犯罪者も捕まりたくないから、「偽造初心者」は、低いリターンでもいいので低リスクな偽造から始める。それが郵便ハガキだ。そして儲かると共に機材を揃え、技術を高めていき、最後は「偽札製造」に移っていく。偽造犯スゴロクのようなものだ。
それに低リターンといっても、日本人と東南アジア・中国の犯罪者とは、金銭感覚が違う。200万円あれば家を買い、商売を始められる国もあるのだ。偽造ハガキ50円1万枚でも、彼らには大きな儲けである。
だから、何度もこのコーナーで警告しているように、500円硬貨が危ない。世界でも稀な高額硬貨だ。硬貨偽造は、紙幣よりはるかに楽。日本人は500円程度と思うだろうが、100枚で5万円にもなり、犯罪者グループには魅力的な金額である。実際に、表に出ないだけで、かなりの偽造硬貨が出回っていると、私は判断している。一刻も早く廃止することだ。
この金銭感覚の違いをわかることが、犯罪の防衛にもつながるので、官僚も警察も、個々の個人も、注意深く施策を検討し、考えるべきだ。