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裁判:鹿児島地裁が元校長のわいせつ行為認定/地検は不起訴、「供述は信用できる」

 鹿児島県鹿屋市内の中学に通っていた女性(19)が「当時の校長にわいせつ行為を受け、心的外傷後ストレス障害になった」として、市と元校長に計約1700万円の損害賠償を求めた訴訟で、鹿児島地裁は15日、わいせつ行為があったことを認め、市に約67万円の支払いを命じた。元生徒側の告訴について、鹿児島地検は元校長を不起訴にしていたが、牧賢二裁判長は「元生徒の供述の信用性は高い」と判断した。

 判決によると、元校長は07年6月、当時中学3年だった元生徒をドライブに連れだし、車内で覆いかぶさるなどの行為をした。

 元校長側は「精神的に不安定な元生徒を励ます目的で誘った。ドライブ中は相談を受けていただけ」と主張していたが、判決は「元校長が停車した場所は、周囲に施設などがなく、性的行為が目的だったと思われる」と指摘した。

 元校長を巡っては、元生徒と両親が07年、元校長を強制わいせつ容疑で鹿屋署に告訴。鹿児島地検は09年2月、容疑不十分で不起訴処分にした。この処分について、鹿児島検察審査会は「(元生徒の)供述に変遷はあるが信用できる」として不起訴不当と議決したが、地検は10年3月、再び容疑不十分で不起訴にした。

 元生徒の父親(40)は判決後「主張は認められたが、被害者が勇気を持って裁判をしなければ事実さえ受けいれない教師がいるのは残念。被告は猛省し、市教委は子供を守るための対応策を整備してほしい」と話した。鹿屋市は「判決内容を詳細に検討して対処したい」との談話を発表した。【黒澤敬太郎】

2012年2月16日

 
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