(担当:山本大吾)
〜小切手の豆知識!〜
前回は『先日付小切手』について勉強しました。今回は意外と知らない小切手の取扱いについて勉強していきます。
友達「こんにちは先輩!前回相談した先日付小切手は、無事に入金されましたよ。 とりあえずひと安心です。でも、良く考えると小切手って、どう見ても切手 より大きいのに、なぜ小さい切手というのですかね?」 私 「そうかぁ。意外に知らない人が多いかもね。君がいう『切手』は郵便切手の ことだよね。でもそれは小切手の語源となった切手とは別ものなんだよ。じ ゃあ、早速勉強していこう。」 ┌──小切手の語源────────────────────────────┐ │ 小切手の語源となった切手とは、もともと江戸時代の「切符手形」と言われる│ │一種の商品券です。この「切符手形」が略されて「切手」と呼ばれるようになり│ │ました。米と交換できる米切手などがその代表例です。その後、明治時代になっ│ │て外国から小切手の文化が入ってきました。その小切手の用紙が「切符手形」よ│ │りもずっと小さかった事から、小さい切手=小切手という名称がついたと言われ│ │ています。また、郵便切手は明治時代にお金を払って郵送の権利を得た紙片とし│ │てはじめから「郵便切手」という名称で登場しました。そして小切手以外の切符│ │手形は、商品券などに名称が変更され、郵便切手だけが残ったことから、単に切│ │手と言えば郵便切手を指すようになったのです。 │ └────────────────────────────────────┘ 友達「さすが先輩!物知りですね!ついでに、小切手の取扱いで注意しておくこと があったら教えてもらえますか?」 私 「そうだなぁ。まずは、小切手の一般的な注意点について勉強していこう。」 ┌──あなたの会社の小切手は大丈夫?───────────────────┐ │1.小切手帳と印鑑は別々に保管する。 │ │ あたりまえのことですが、小切手帳と印鑑さえあれば、いくらでも小切手を振│ │出すことができます。そのため、小切手帳と印鑑は必ず別々の場所に、別々の人│ │が保管するのが鉄則です。 │ │2.線引小切手を利用する。 │ │ 小切手に斜めの平行な2本線を引いた小切手を、線引小切手といいます。2本│ │線の間には『Bank』とか『銀行渡り』などと記載しているものもあります。│ │実はこの2本線が大きな効力を持っていて、この線引小切手を持って銀行へ換金│ │に行っても、すぐに支払ってはくれません。また、現金ではなく、銀行口座への│ │振込みでないと支払われないので、万一、盗難や紛失した小切手の場合は、その│ │支払いを止めるための時間が取れるとともに、もし支払われた場合でも口座を確│ │認すれば受け取った人を特定することができます。 │ └────────────────────────────────────┘ 友達「我社は大丈夫ですよ。小切手帳は経理担当者が管理して、印鑑は私が別の金 庫で保管していますから。もちろん線引小切手も使っていますよ。ただ、支 払いの都度小切手1枚1枚に印鑑を押すのは面倒だし、経理担当者からも 『社長の留守に急な集金もあるので、事前に何枚か小切手に印鑑を押してお いてもらいたい』と言われて、だいたい10枚位ずつまとめて印鑑を押して、 担当者に渡していますけど...。そのほうが効率的ですからね。」 私 「説明したことが分っていないようだね!もし、印鑑を押したその小切手が盗 まれたらどうなる?もし、経理担当者がその小切手を悪用して口座にある全 額を引出して、そのまま行方不明になったら会社はどうなる?いいかい、面 倒でも会社や経理担当者を守るために、支払いの都度印鑑を押すべきだよ。」 友達「考えてみればその通りですね。担当者に説明して、その都度印鑑を押すよう に変更します。でも、もし本当に小切手帳が盗まれたらどうなりますか?」 私 「印鑑が押されていない小切手帳はただの『紙』だから、盗まれたことを銀行 に連絡して、新しい小切手帳を発行してもらえばそれで問題ないけれど、小 切手帳と印鑑が一緒に盗まれた場合は手続きが大変だよ。」 ┌──小切手帳と印鑑が同時に盗難にあった時の手続き────────────┐ │1.銀行へ連絡する │ │銀行に事故届を出して支払いをストップし、併せて改印の手続きを行います。 │ │2.警察へ被害届を出す │ │銀行へ連絡すると同時に、警察へ被害届を出します。一刻も早く犯人を逮捕して│ │もらい、小切手が他に渡るのを防ぐことが必要だからです。 │ │3.裁判所へ公示催告の申立をする │ │通常は弁護士に依頼して、裁判所へ公示催告の申立てをし、除権判決の手続きを│ │行います。この手続きで盗難にあった小切手を無効にすることができます。しか│ │し、盗難にあった小切手が、盗難の事実を知らない人(善意の第三者)に渡った│ │場合には、裁判に発展することもあります。裁判事例の詳細は省略しますが、盗│ │難にあった人(振出人)は、小切手の支払いを拒否できないケースも多いようで│ │す。 │ └────────────────────────────────────┘ 友達「えっ!手続きも大変ですし、最悪の場合、振出人は盗まれた小切手でも支払 いを拒否できないことがあるのですか?」 私 「そうなんだ。小切手の取扱いを軽く考えている経営者がいるけれど、印鑑の 押してある小切手は現金と同じだから万全の管理体制が必要だよ。」 友達「確かに、経理は何でも効率化すればいいわけじゃあないですね。」
今回説明したことは小切手・手形に共通して言えることです。万一、小切手・手形が盗難、紛失した場合には、会社に大きな損害が 生じるリスクがあります。貴社の管理体制を再度見直してみてはいかがでしょう。