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関西電力原発:高浜3号機定期検査で全11基運転停止

高浜原発3号機(手前)=福井県高浜町で、本社機から竹内紀臣撮影
高浜原発3号機(手前)=福井県高浜町で、本社機から竹内紀臣撮影

 関西電力は17日、稼働中の高浜原子力発電所3号機(福井県高浜町、出力87万キロワット)が20日に定期検査入りし、保有する原発全11基(総出力977万キロワット)が運転停止すると発表した。東京電力がトラブル隠しで03年に全17基停止して以来の規模。関電は原発依存度が国内の電力会社で最も高く、原発の再稼働の見通しは立っていないものの、今冬の大規模停電などは避けられる見通し。関電は原発以外の電力を確保し、安定供給を図る。

 関電は20日午後11時ごろ、高浜原発3号機の発電を止め、21日未明に原子炉を停止する予定。原発全停止後は、火力発電所28基(同1450.7万キロワット)のフル稼働や他の電力会社などからの買電を増やすことで、供給力は2600万キロワット前後を確保する。企業や家庭による節電に一定の効果があり、この先は寒さが緩み、暖房などの電力需要が低下するため、3月末までの予想最大需要2559万キロワットを満たす見通し。

 関電の原発全停止は93年に11基体制になって以降初めて。米スリーマイル島原発事故が発生した79年、安全対策などのため4日間全停止(当時は6基体制)したが、発電量実績に占める原発の比率は約24%で、電力需給に影響はなかった。

 10年度の原発比率は51%にのぼる。ただ、関電は今冬、昨冬比10%以上の節電を要請。この間、大半の原発が停止したものの、電力供給力は需要に対し10%以上余力がある日がほとんどだった。

 関電は原発再稼働に向け、大飯原発3、4号機の安全評価(ストレステスト)を実施し、経済産業省原子力安全・保安院は「妥当」と判断を示した。しかし、再稼働に必要な地元自治体の同意や首相らによる政治判断の見通しは立っていない。

 東電福島第1原発事故後、全国の商業用原子炉54基のほとんどは停止している。福井県内の関電以外の3基は既に停止しており、全14基が停止する。高浜原発3号機以外で稼働中の東電柏崎刈羽原発6号機(新潟県柏崎市、出力135.6万キロワット)、北海道電力泊原発3号機(北海道泊村、同91.2万キロワット)も4月末までに定期検査入りすると、国内の原発すべてが停止することになる。【横山三加子】

毎日新聞 2012年2月17日 19時46分(最終更新 2月17日 20時30分)

 

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