韓国の中小造船会社、相次ぐ経営危機

 韓国の造船業界で、2006-07年の好況期に経営規模を拡大した中小造船会社が連鎖的に経営危機に直面している。慶尚南道統営市にある中堅造船会社、サムホ造船が業績不振から清算手続きに入った。世界8位の造船会社、城東造船海洋は先月末、債権団とコスト削減、経営効率化などの構造調整を進めることで合意した。大韓造船は3年間にわたり大宇造船海洋に経営を委託し、再建を図ることを決めた。

 昌原地裁は14日、サムホ造船の企業再生手続きの停止を決定したと発表した。受注減少、資金事情の悪化で、同社は清算手続きに入ることになった。同社はアデン湾で海賊に襲撃され、劇的な救出作戦の舞台となった「サムホジュエリー号」を保有するサムホ海運の系列企業。2008年には売上高4394億ウォン(約306億円)、営業利益483億ウォン(約34億円)を達成するなど、一時は世界の造船所上位100社にも浮上したが、景気低迷を受け、昨年5月に倒産していた。

 危機に直面した中小造船会社には、約5年前に船舶の発注が相次いだ好況期に造船市場に参入した社も多い。しかし、08年のリーマンショックで世界的な不況が始まり、技術力で劣る企業が経営に行き詰まった形だ。

 造船業界の関係者は「金融機関からの資金調達ができなくなった上、今後の景気見通しも暗く、低い技術力では生き残ることが難しい。(中小造船会社が手掛けていた)ばら積み貨物船、タンカーなどの事業にも大企業が参入しており、太刀打ちできない」と指摘した。

 韓国の大手造船会社は、それほど深刻な状況ではない。昨年から掘削船、洋上浮体式生産・貯蔵・積出設備(FPSO)などの海洋プラントや液化天然ガス(LNG)タンカーなど付加価値が高い船舶の受注が伸びているためだ。現代重工業は13日、ノルウェーのホーグLNGから海洋プラント1基を受注するなど、年初来5件、11億ドル(約863億円)の受注を獲得した。STX造船海洋も今月10日、ロシア国営の海運会社、ソブコムフロートからLNGタンカー2隻を受注した。

チョ・ジェヒ記者
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