日産が高級車インフィニティを中国で生産すると発表した際や、ホンダが日本からの生産・輸出分を半分に減らすと発表した際にも「国民企業」としての重心は守ろうとした。しかし、昨年ゼネラルモーターズ(GM)に首位の座を奪われ、フォルクスワーゲンの2位浮上までも許し、3位に転落したトヨタは変わった。円相場が2007年の120円台から70円台へと急激に上昇したことも重い負担だ。日本から輸出すればするほど、損失が膨らむからだ。
トヨタは、強力なライバルへと浮上した現代・起亜自動車をけん制するため、韓国でも攻撃的な販売に乗り出した。先月新型カムリの発表に豊田社長が予告なしで登場したかと思えば、カムリの価格を以前より100万-300万ウォン(約6万9000-20万7000円)引き下げた。今月末にはハイブリッドカーの主力、プリウスの低価格モデルを発売する。現在の価格は3790万ウォン(約260万円)だが、3000万ウォン(約210万円)台前半の低価格モデル投入で、現代・起亜自のソナタ、K5のハイブリッド仕様車に競争を仕掛ける。
韓国トヨタ関係者は「日本国内仕様をシンプル化する代わりに、以前より燃費を高め、環境対策車のリーダーとしての地位を固めたい」と述べた。