今月14日、半月工業団地(京畿道安山市)にある繊維会社を訪れた。この会社では先月、外国人労働者30人のうち5人が、滞在期限満了に伴い韓国を離れた。同社は、代わりの人員を探すため求人広告を出しているが、どうにか2人補充できたものの、残る3人は2カ月にわたって空きのままだ。A社長は「誰でも来てくれるだけでいいのに、そもそも人が来ない。3人で分担する仕事を2人でしているため、社員同士が争うなど、社内の雰囲気まで険悪になっている」と語った。
最長6年まで働けるよう定めた「外国人勤労者使用規定」(現行4年10カ月)により、今年は外国人労働者6万7111人が韓国を離れる。昨年中に滞在期限が満了した3万3938人も合わせると、外国人労働者雇用許可制施行初期の2004-06年に韓国の地を踏んだ「外国人労働者第1世代」10万人が、引き潮のように韓国を離れることになる。
「熟練工10万人」が一挙に職を離れる影響で、中小企業の生産基盤は大きく揺らいでいる。空きを補充する人材を採用すること自体、空の星をつかむようなものだ。今年は6万7111人が韓国を離れるが、韓国政府が新たに割り当てた外国人労働者は5万7000人。単純計算でも1万人が不足する。このため、上・下半期の外国人労働者雇用許可申請のたびに、韓国国内に51カ所ある雇用センターでは、1人でも多くの外国人労働者を確保しようと、中小企業関係者が徹夜で行列を作るという珍風景がみられる。
人手不足に苦しむだけでなく、外国人労働者が交代する度に新人を再教育し、適応させる費用まで、全て中小企業が負担している。半月工業団地で金型の会社を経営するB社長は「新しい労働者に仕事を覚えさせるのに1年近くかかる。そのため周囲では、罰金覚悟で外国人労働者を不法滞在させる企業も増えている」と語った。繊維染色会社のC課長も「外国人労働者の交代期には、製品の不良率が高くなり、最終的には売り上げ低下につながるという悪循環が起こる」と語った。
事業主としては外国人熟練労働者を手放したくない事情があり、外国人労働者も韓国でもっと長く働きたいと考えるため、韓国国内の外国人労働者の不法滞在率は29%に達する。韓国政府は、雇用許可制をうまく定着させるには不法滞在者の管理が必須と見て、取り締まりを強化し、不法滞在者の比率を20%にまで引き下げる方針だ。