食品に含まれる放射性セシウムの新基準について厚生労働省が実施した意見公募に対し、文部科学省放射線審議会前会長の中村尚司東北大名誉教授が関係学会の会員らに反対意見の投稿を求めるメールを送っていたことが17日、分かった。
中村氏によると、1月末、「(新基準は)福島県の農漁業に甚大な影響を与える」という意見を投稿したことを研究者の仲間数人に送った。その際「皆さんも出してくださいと書いたが、要請したつもりはない」と話している。その後、何人に転送されたかは分からないという。
平野博文文科相は閣議後会見で「審議会の現職メンバーなら問題だが、退任しており審議をゆがめたとは考えていない」と述べた。小宮山洋子厚労相は「本来のパブリックコメントの趣旨に反し、あってはならないこと」と話した。