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[管理者マニュアル|設定変更]
このページには、Majordomo 1.94.4 + POEM patch によるメーリングリストの管理に関する情報を掲載します。
2003年6月1日以後に設置されるメーリングリストは、
Mailman を使用した新システムでのものとなります。 以下の説明は、旧システム (Majordomo) に関する説明です。 |
このページで説明しているのは、
電子メールでコマンドを送って管理をする方法です。
Web ブラウザを使って管理作業をする方法については、
こちら
をご覧ください。
Majordomo は、投稿アドレスに送られた電子メールを、登録ユーザー全員に配付します。 また、電子メールに書かれたコマンドにより、ユーザーの登録や削除、メーリングリストの機能の変更などの管理を行なうことができます。
電子メールアドレスをリストに追加するときは、次の2種類の方法が使えます。
アドレス-- To: リスト名-request@jca.apc.org 本文------ subscribeまたは
アドレス-- To: majordomo@jca.apc.org 本文------ subscribe リスト名または (日本語のメッセージが必要な場合)
アドレス-- To: majordomo-j@jca.apc.org 本文------ subscribe リスト名
このほかにも、Majordomo はいくつかのコマンドを受け付けます。また、1 つの電子メールに、いくつかのコマンドをまとめて書き込むこともできます。 Majordomoのコマンド一覧は、help というコマンドで見ることができます。
ただし、"help"で得られるコマンド情報は、一般の利用者にとって必要なものに限られています。 メーリングリストの管理者が使うコマンドは送られません。 また、これらの管理者コマンドはメーリングリスト毎に設定されるパスワードを知らなければ使うことができません。 とはいえ、「リストとパスワード」の組み合わせさえ知っていれば、誰でも使えるものです。 なお、Majordomoでのパスワードは、厳密な情報管理を意図するものではなく、無用な介入を最低限に抑えることを目的としたものです。
不特定多数の人が使うように一般利用者向けに公開しているコマンドには、次のコマンドがあります。
コマンド 説明 ---------------------------------- ------------------------ subscribe list [address] リストへの加入 unsubscribe list [address] リストからの脱退 off list [address] 配信の一時停止 on list [address] 配信の再開 which [address] 加入リストの参照 who list 加入者一覧 intro list 新規加入者用情報の閲覧 info list リスト情報の閲覧 index list 保存記事一覧 get list 保存記事取り寄せ mget list 複数の保存記事取り寄せ lists リスト名一覧 help コマンド一覧 end コマンド終了
これら(上記)のコマンドの説明については、Majordomo(またはMajordomo-J)宛に"help"と書いたメールを送って下さい。
以下に、リスト管理コマンドを説明します。
例: approve foo-bar subscribe mylist you@some.domain これは「you@some.domain」という電子メールアドレスを「mylist」 というメーリングリストに登録します。「mylist」のパスワードは、 「foo-bar」です。
例: passwd mylist foo-bar k3-9dnXF 「mylist」のパスワードを、「foo-bar」から「k3-9dnXF」に変更します。
例: newintro mylist foo-bar mylistへようこそ mylistは、わたしのリストです ...中略 それでは、リストでお会いしましょう! EOF
config リスト名 パスワード「リスト名」と「パスワード」は、各メーリングリストの名称と管理用パスワードです。
さて、このコマンドを送信すると、Majordomo から設定ファイル(config file) が返送されてきます。この設定ファイルの内容を変えれば、あなたのメーリングリストの運用方法を変更することができるわけです。 本ファイルの冒頭にある情報を見て、resendが使われている場合 ("Is resend used: yes"の場合)、majordomo とresendの両方の値を設定してください。
resendを使っていなければ、majordomo の値を設定するだけですみます。
設定ファイル(configuration file)には簡単な説明が書き込まれています。 設定ファイルの書き換え作業が終わったら、前述の "newconfig" コマンドを使って古い設定ファイルと差し替えて下さい。
ダイジェストが設定されているときは、次のコマンドを使って、ダイジェスト用の設定ファイルも取り寄せて下さい。 そして、ダイジェスト版と majordomoサブシステムの設定値を設定して下さい。
config ダイジェスト名 ダイジェストパスワード
なお、approve_passwdは、approveコマンドで利用するパスワードです。
正規表現
設定オプションのいくつかのものは、perl形式の正規表現についての基本的な知識を使うことによって、
Majordomoに巧妙な動作をさせることができます。
正規表現は一連の文字パターンを表現する簡潔な方法です。
正規表現を駆使すれば、難しい仕事も簡単にこなすことができますが、ここでは、表面的な知識を紹介することにします。
正規表現の最初と末尾を示すために「/」の文字が使われます。 文字や数字は、本来の意味で使われます。その他の文字は、特別な意味を持っていて、 それらのいくつかを以下に説明します。
\@ ほとんどすべてのアドレスに`@'の文字が含まれているが、この文字 の前には「\」(バックスラッシュ、または円記号)をつけて誤動作を 防ぐ . (ピリオド) すべての文字 * 直前の文字がゼロ回、または1回以上繰り返される .* あらゆる文字がゼロ回、または1回以上繰り返される + 直前の文字が1回、またはそれ以上繰り返される a+ "a"の文字が1回以上繰り返される \ 後続の文字の特別な意味を打ち消す \. ピリオド ^ 文字列の先頭 ^a "a"で始まる文字列(B $ 文字列の末尾 a$ "a"で終る文字列 Example 1. /cs\.umb\.edu/ ピリオドの前に"\"が付いているので、ここのピリオドはピリオドそのもの です。したがって、以下のような"cs.umb.edu"を含む文字列を表します。 cs.umb.edu foo.cs.umb.edu user@foo.cs.umb.edu users%foo.cs.umb.edu@greatcircle.com Example 2. /rouilj\@.*cs\.umb\.edu/ `@'は特別な意味を持つ文字ですが、この前に`\'がついていますから、やは り`@'自身を表します。また、".*" はすべての文字が何回か連続する(文字 が存在しない場合を含む)ことを意味します。したがって、以下のような文 字列を表すことになります。 rouilj@cs.umb.edu rouilj@terminus.cs.umb.edu arouilj@terminus.cs.umb.edu@greatcircle.com しかし、以下の文字列を表すものではありません。 rouilj@umb.edu brent@cs.umb.edu Example 3. /^rouilj\@.*cs\.umb\.edu$/ Example 2とよく似ていますが、先頭に`^'、末尾に`$'が付いているため、 `r'で始まり、`u'で終る次の文字列を表すことになります。 rouilj@cs.umb.edu rouilj@terminus.cs.umb.edu しかし、これは以下のような文字列は表しません。 arouilj@terminus.cs.umb.edu@greatcircle.com この正規表現は、^と$を使って、`r'で始まり、`u'で終る文字列を表してい るからです。 Example 4. /.*/ この正規表現は、すべての文字列を表します。 Example 5. /.\*rouilj/ ここでは`*'の前に`\'がついているため、「ゼロ回以上の繰り返し」という 特別な意味ではなく、`*'そのものを表します。しかし、その前の`.'は前に 何もついていませんから、「すべての文字」という特別な意味は生きていま す。そのため、次のような文字列を表すことができます。 a*rouilj s*rouilj しかし、`.'があるため、何か1文字が必要です。そのため、次の文字列を表 すものではありません。 *rouilj 通常、すべての文字の比較は大文字と小文字が区別されますが、正規表現の 後に`i'を付けることで、大文字と小文字の区別をしないで比較をすること ができます。 Ecample 6. /aol\.com/i この例は、"AOL.com"、"AoL.cOm"などを表します。`i'を取り除いて、 /aol\.com/ このようにすると、"aol.com"を表すことはできますが、"AOL.com"などの大 文字交じりの表記は表しません。 文字と数字以外の文字には、`\'をつけておくほうが安全です。`/'を正規表 現の中に含ませたい場合も同様に、前に`\'を付けます。つまり、`/'と`=' の前に`\'を付けた次の正規表現は、 /\/CO\=US/ "/CO=US"を表します。`/'を含むX.400メールシステムのアドレスを登録した いときなどに使いますから覚えておいてください。
Majordomo から送付される「承認確認」メールの題名は、すべて"APPROVE"で始まります。
「承認」の作業は、Majordomo からのメールを待たなくとも "approve" コマンドで処理できます。例えば、該当する人が Majordomo にメールしなくても、"approve PASSWORD subscribe LIST ADDRESS" を使って誰かをリストに加えたり、 "approve PASSWORD unsubscribe LIST ADDRESS" を使って誰かをリストから外すことができます。このコマンド列の "PASSWORD" "LIST" "ADDRESS" の部分を実際のものに差し替えて Majordomo にメールするだけです。
作業をJCAのシェルアカウントで行なう場合で、 pineなどの外部プログラムを起動できるメールソフトを使っている場合は、 approveコマンドにより、簡単に承認作業ができます。 approveコマンドの使い方は、approveコマンドのマニュアルを参照してください。
バウンスしたメッセージは、Majordomo から管理者に転送されます。
これらのメッセージの題名は "BOUNCE" で始まり、
(1) バウンスが起きたメイリングリストの名称(複数のリストを管理している場合)と、
(2) バウンス理由が記されています。
特にバウンスする理由も見当たらない問題のないメッセージであれば、
メッセージ冒頭に "Approved: password"
という承認用ヘッダを付けて投稿アドレス宛に
(注: Majordomo 宛ではありません)
送り返して下さい。
具体的には次の作業を行ないます。
1) 元投稿(Majordomo から回送されるメールの本文)
をファイルとして自分が使っているディスクに保存し、
テキストエディタなどで最初の部分を削除してください。
たとえば、以下のようにファイルを編集します。
これを受けた Majordomo は、今回は、"Approved:" コマンド行を認識し、パスワードをチェックします。
パスワードが正しければ、そのメールのヘッダ部分と "Approved:" コマンド行を削除して、元原稿だけをメーリングリストに配信します。
この承認作業は、前述のapproveコマンドを使うと、簡単に済ませることができます。できます。詳しくはapproveのマニュアルを参照してください。
ダイジェストを送信するタイミングは、標準では毎日一回、特定の時刻、またはダイジェスト設定ファイルに記載されたサイズを超えた場合です。
送信時刻はシステム管理者が設定しますが、サイ%:$K$D$$$F$O%a!<%j%s%0%j%9%H$N%*!<%J!<$,<+M3$KJQ99$G$-$^$9!#
また、次のコマンドを送ることで、強制的にダイジェストを送信させることができます。
ダイジェストの動作は、通常のメーリングリストと同様に設定ファイルの値を変更します。
ダイジェストは、通常のメーリングリスト名の後に"-digest"
がつけられたメーリングリストです。たとえば
"list"というメーリングリストのダイジェストは
"list-digest"になります。この場合の設定ファイルは、
"config list-digest パスワード"のコマンドで取り寄せます。
JCAのメーリングリストでは、いくつかのアーカイブファイルの形式を使っています。
標準的なMajordomoでは、毎日、毎月、毎年のいずれかごとにメールをまとめたファイルを作ります。
また、メール単位でファイル化することも可能です。
アーカイブのファイルは、indexコマンドでファイル名を読みだし、その中から必要なファイルをgetコマンドで取り寄せます。
設定ファイルの"private_get"の値を変更することで、アーカイブファイルを取り寄せられるユーザーを制限することができます。
初期値は"yes"になっていて、メーリングリストの参加者以外のユーザーはアーカイブファイルを取り寄せることができません。
また、設定ファイルの"private_index"の値を変更すると、同様に
indexコマンドでアーカイブファイルの一覧を読みだすことができるユーザーを制限することができます。
アーカイブに関するノート
アーカイブされるファイルは、Majordomo
の標準的なディレクトリ以外に保存することもできます。
必要な場合は管理者に依頼してください。
メーリングリストが司会つきになっている場合、"Approved:"
行が記入されていないファイルは、すべて管理者にバウンスします。
これらのファイルをリストに配信するためには、前述のように、
"Approved:" 行を記入して投稿アドレスに送り返して下さい。
approveコマンドで処理することもできます。
この機能を使うことで、登録メンバー以外の投稿を禁止することができます。
ダイレクトメールや妨害、いたずらなどを避けたいときに使います。
メンバー以外からの投稿を禁止する場合は、設定ファイルのrestrict_post
の項目を次のように設定します
(空白またはコロンで区切って複数のファイルを設定することができます)。
メンバーファイルのファイル名については、
ml-admin@jca.apc.orgにお問い合わせください。
翻訳と加筆: lalamaziwa@jca.apc.org / 安田幸弘 (yukihiro@jca.apc.org)
バウンスした(配信処理されなかった)メッセージ
メーリングリストに送ったメッセージが配信処理されない(バウンスする)
ことがあります。この理由には、"subscribe" や "unsubscribe" など
Majordomo に送るべき運用コマンドを間違えて投稿アドレスに送った場合や、
メッセージが長すぎる場合、管理者によって設定された特定の単語が本文に含まれる場合、
その他、いろいろな原因が考えられます。
なお、バウンスは、エラーではありません。
From: majordomo@list.server \
To: your-list-approval@list.server | これらの行は削除してください。
Subject: BOUNCE: taboo_header found /
- 空白行。ここまでを削除します。
>From list-member@her.site date \
Received: some long routing info | 元のメールのヘッダ
From: list-member@her.site | この部分は必要ですが、最初の行
To: your-list@list.server | は不要です。
Subject: Just a message /
- 空白行。必ず必要です。
Hello. I'm just writing to \
consume some bandwidth and | 元のメール本文
take up space in your mail | すべて残しておいてください。
spool! /
基本的に、最初の空白行以後は、すべて保存します。
2) メールの冒頭、元投稿の直前の行に "Approved: パスワード"の行を挿入します。
Approved: sekrit <- この行を挿入します。"sekrit"は、
>From list-member@her.site date この例のパスワードです。
Received: some long routing info
From: list-member@her.site
To: your-list@list.server
Subject: Just a message
Hello. I'm just writing to
consume some bandwidth and
take up space in your mail
spool!
3) 作成したファイルを該当メーリングリストの投稿アドレス(注:
Majordomo 宛ではありません)にメールします。
このとき、電子メールソフトがメールにどんな変更も加えないように設定してあることに注意してください。
行の折り返しやインデント、余計な文字の追加、エンコードなどは解除して、
上記の変更を加えたファイルが、そのままの形で送られることをくれぐれも確認してください。
ダイジェスト
ダイジェストとは、何本かのメールをまとめて送信する仕組みです。
ダイジェストが送信されるタイミングは、特定の時刻、またはダイジェストファイルが指定のサイズを超えたときです。
ダイジェスト機能を使うと、メールの数を減らすことができますので、あまり頻繁にメールボックスを読まないメンバーがいる場合、そのユーザーをダイジェストリストに登録するといいでしょう。
mkdigest ListName-digest password
ダイジェストへのユーザーの登録は、通常のメーリングリストと同じように、
subscribeコマンドを使います。
たとえば、"list@jca.apc.org"のメンバーがダイジェスト
(list-digest@jca.apc.org)
に登録する場合、次のようなコマンドをmajordomo@jca.apc.org
に送ります。
subscribe list-digest
つまり、一度"list"をunsubscribeして、"list-digest"にsubscribeしなおします。
unsubscribe list
アーカイブ
アーカイブは、メーリングリストの内容をホストコンピュータに保存しておき、必要に応じて過去のメールを取り寄せられるようにする仕組みです。
アーカイブにはメール以外のファイルを保存しておくことができます。
しかし、電子メールでアーカイブにメール以外の文書を保存する方法はありませんので、必要な場合は管理者に依頼してください。
司会 (モデレーション) - 司会者 (モデレータ) の仕事
設定ファイルの"moderate"を"yes"に設定すると、
そのメーリングリストは「司会つき」(モデレーテッド) となります。
司会つきのメーリングリストでは、管理者や司会者が承認したメールだけをメーリングリストに流すことができます。
投稿の制限
設定ファイルの restrict_post を設定することで、
あらかじめ投稿を許可された利用者以外の投稿を制限することができます。
restrict_post は、投稿を許可するユーザーのリストが書き込まれたファイルです。
restrict_post = 制限ファイル名 制限ファイル名...
制限ファイルは、自分のホームディレクトリに置くことができます。
また、メーリングリストのメンバーファイル名を指定することもできます。
番号付け
メーリングリストで配付されるSubject:行に、
[ML-NAME:123]といったリスト名と連番を付けることができます。
番号付けは、初期設定ではメーリングリスト名と番号の形式になっています。
設定を変更する場合は、設定ファイルのsubject_prefixを変更してください。
この行を削除すると、番号付けは行なわれなくなります。
"majordomo.admin" for Majordomo-1.94.4-y 1997-9-08
Translation and addition from "list-owner-info".