田子ノ浦親方告別式に４００人「久島海、ありがとう！」

　虚血性心不全で１３日に４６歳の若さで急逝した田子ノ浦親方（元幕内・久島海）＝本名・久嶋啓太氏＝の告別式が１６日、東京・上野の寛永寺輪王殿で出羽海一門葬として営まれた。日本相撲協会の北の湖理事長、大関・琴欧洲（２８）＝佐渡ケ嶽＝ら約４００人が参列し、別れを告げた。

　部屋頭の幕内・碧山（２５）が涙を流して遺影を抱き、ほかの弟子たちがひつぎを運び出した。妻・綾子さんが喪主あいさつをしたが、涙で言葉にならなかった。霊きゅう車が会場を出る際には参列者から「久島海、ありがとう！」と声が飛んだ。関係者によれば、弟子たちの意向で、亡き師匠が着けていた稽古まわしがひつぎに納められたという。

　弔辞では春場所（３月１１日初日・大阪府立体育会館）で、宿舎を提供するはずだった和歌山県内のスーパー「松源」の兼子守専務取締役が、１６日から現地で稽古を始める予定だったと明かした。力士８人は出羽海部屋への転籍が濃厚。早ければ１７日にも決定する。葬儀委員長も務めた出羽海親方（元関脇・鷲羽山）は「深い悲しみを乗り越え、大相撲の発展に尽力することが何よりの供養になる」と話した。

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