中畑監督「佑樹さん、ありがとう」ベイに勇気の４点…ＤｅＮＡ

　◆練習試合　日本ハム９―７ＤｅＮＡ＝特別ルール＝（１６日・名護）　横浜ＤｅＮＡの中畑清監督（５８）の初勝利は、あと一歩でお預けとなった。対外試合初戦となる日本ハムとの練習試合（名護）で、斎藤から４点を奪って最大５点差をつけながら、投手陣が崩れ９失点で逆転負け。それでも、「佑樹さんありがとう。ベイスターズにとって勇気が出る４点になりました」と計１３安打７得点の打線を収穫に挙げた。

　あと一歩で初勝利を逃した。課題の投手陣が粘れなかったが、中畑監督は意外とサバサバしていた。「結果的に負けたけど、途中までは非常にいい展開を作ることができた。佑樹さんありがとうございます。ベイスターズにとって勇気が出る４点になりました」。佑ちゃんを攻略して、計１３安打７得点を奪った若手中心の打線を絶賛した。

　注目の初采配。試合前に高木豊ヘッドコーチに「今日はバントはしないよ」と伝えて作戦を一任した。１点を追う３回。無死一塁から梶谷が二盗を決め、石川の右越え二塁打で同点。斎藤から４安打４点を挙げて逆転した。前日（１５日）、「３回完全？　その通りにさせるかコノヤロー」と対抗心を燃やした指揮官は、「攻撃パターンの中で（初戦は）機動力を使う野球をしたかった」と満足そうに振り返った。

　試合中は、三塁ベンチの本塁寄りの奥に立った。「カモン、カモン」など、球場に響く大声を出し続けた。闘志むき出しに見えたが、「抑えた方だよ。結構冷静だった」。５回無死一塁からは、荒波に封印したはずの送りバントを命じた。けん制球を挟んで「打て」に変わったが、「試合の流れを教えたかった。（３回の）４点で安心したら絶対逆転される。絶対に１点を取るぞってね」。思惑通り４安打で２点を奪った。

　この日は、普段より約１時間早い午前６時前には起床した。「やる気の証しなのかな。サウナにも入った。また風邪引いちゃうかな」。名護に向かう前、宜野湾での練習前の円陣では、「とにかく元気を出していこう」と強調した。ベンチは常に声が飛び交い、お祭り騒ぎ。クールな主将の石川は二塁打で二塁にヘッドスライディングを見せた。ナインの“変化”に、「最後まで元気があった。その点は評価したいですね」と喜んだ。

　新球団の最重要課題に挙げている投手陣が崩れたが、「５つの四球でしょ。（小林寛は）先頭打者だし。絵に描いたような失点。今日は負けて当然。また次もチャンスはある」とリベンジに期待した。「選手には１００点をあげたいけど、負けたからあげられないか。その辺で終わっておきたいと思います」。あと一歩で敗れたが、佑ちゃんを攻略した若手の成長に、確かな手応えを感じていた。

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