【知事】
2点目の現在県で進めております、医療観察病棟の整備につきまして、その現状と今後の方向性について報告をさせていただきます。
病院事業庁では、この整備計画をしっかりと説明ができるように施設の安全面、機能面を明確にしまして、昨年6月からこれまで約8ヵ月にわたり、近隣施設、地先の学区自治会、また隣接する学区自治会に延べ29回の説明会を実施してまいりました。
その際、施設の安全性、あるいは入院患者のことなど多くのご意見、ご質問をいただきましたので、可能な限り施設の構造や運営に反映させるとともに、「県立精神医療センターにおける医療観察病棟整備についての県の考え方」として取りまとめ、ご理解いただけるよう努めました。この県の考え方についての資料は今日、皆さまにお配りをしているものでございます。また、私からも「精神障害者の社会復帰のために」と題したメッセージを出して、広く県民の皆さまに呼び掛けをさせていただきました。
この医療観察病棟ですけれども、平成20年に当時の厚生労働大臣から県として建設できないかという呼び掛けをいただきました。また平成22年には、審議会の方から県として建設したらという具申もいただきました。そういう中で、実は、県民の、住民の皆さんの中にも医療観察病棟を必要とする患者の方がおられます。ただ、現在、県内で入院治療を受けられないので、他府県の病院にお世話になっておりまして、患者の皆さまにご不便をかけている状況もございます。また、この入院病棟、整備できるのは事実上、県立病院しかありません。法対象者の社会復帰に向けた入院治療を県内で行うためには、できるだけ早く医療体制を整備する必要があることから、医療観察病棟の整備を進めていくことにいたしました。具体的には、今日、ここで建築基準法に基づく計画通知書を草津市に提出させていただきます。
これまでの経過の中で住民の皆さまの中にも不安をお持ちの方がおられること、十分承知をしております。先ほど申し上げました、29回の近隣施設、あるいは学区自治会に対する説明会を終えまして、医療観察病棟の整備を進めることに 大方のご理解は得られている と受け止めております。 繰り返しになりますが、医療観察制度はこれまでの措置入院制度に比べて、多職種のチームによる手厚い専門的な医療の提供と地域において継続的な医療を確保するための仕組みが盛り込まれております。そういう中で、本日ここに、建築基準法に基づく計画通知書を草津市に提出させていただきたいと報告を申し上げます。
さらに、これも繰り返しになりますけれども、整備を進めるにあたりましては、地域の皆さんのご意見、充分お伺いする窓口を精神医療センターに設置することとしております。ご心配、ご不安を解消できるよう引き続き誠意をもって対応していくこととしておりますので、ご理解いただきますようよろしくお願い申し上げます。
さらに、県民の皆さまの健康福祉に対してセーフティネットを構築することは知事の責務であります。すべての皆さんの人権を尊重し、多様な人々が地域で助け合い、共に生きていける共生していく社会を目指していくこととしておりまして、精神障害の実態、また、その患者の皆さんへのご理解を踏まえていただきまして、正しく理解をしていただくということも併せてお願いをしたいと思います。県としても誠意を持って努めてまいりたいと思います。
少し長くなりましたけれども、医療観察病棟の建築基準法に基づく計画通知書を出させていただくということで、本日報告をさせていただきました。
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[朝日新聞]
医療観察病棟の着工と開設の時期、目途があればということと、・・・・・どのようにいつ、国に対して予算要望をどんな形でしていくのかというのを教えていただければと思います。
【知事】
まず、医療観察病棟のこれからの建設計画ですが、元々の計画は平成25年の4月には開設したいと思っていたんですが、ここのところ少し遅れておりますので、25年4月プラス数ヶ月の遅れは出てきてしまうかと思っております。
そういう中でできるだけ早く関係機関との調整準備が必要ですので、その準備が進み次第、先行工事、既存の構築物の移設等の先行工事の着工に入りたいと考えております。この先行工事の着工だけでも最低1ヶ月は準備が必要だろうということで、この後積み上げていき、25年の夏から秋くらいを考えたいと思います。
[中日新聞]
医療観察法に基づく入院病棟の関係をお伺いしたいんですけれども、説明会を29回やられている中で、私が色々取材してみると、青山学区なんかは特に非常に反発が根強いというかですね、意見がかみ合っていないという状況も見受けられたかと思うんですが、29回の説明会で十分地元に対しての説明責任は果たされたというお考え、ご認識なのかどうかということをお伺いしたいと思います。
【知事】
回数、内容とも、私どもとしては、誠意を持って説明させていただいたと思っております。一方で先程申し上げました他府県で入院されている対象者の方、今7人と伺っておりますけれども、まだ、これからもそういうニーズはあるわけですからこれは県の精神医療福祉の水準を高めるための知事としての責任、これも果たさなければいけないと思っております。
青山の皆さんには今後も引き続き誠意を持って、説明をし続け、また、不安に思っていらっしゃるところは相談窓口などを準備させていただきたい。先程申し上げたところでございます。
知事定例記者会見
http://www.pref.shiga.jp/chiji/kaiken/files/20120131.html