名古屋グランパスの別府キャンプは16日、キャンプ中唯一の休日を迎え、選手は17日からの後半に備えて英気を養った。甲府から移籍、新加入のDFダニエル(29)に新天地の印象やこれまでの歩みについて聞き、闘莉王、増川の両センターバックとのポジション争いについても意気込みを語ってもらった。 (構成・木村尚公)
−9日から始まったキャンプも折り返し地点。印象は。
「(前所属の)甲府で3年間やってきたキャンプとはかなり違いがある。練習の内容はすべてが違うし、名古屋はビッグクラブなんだなとあらためて感じている。甲府の練習環境も徐々によくなってきてはいたが、やはり名古屋にはすべてがそろっている。ここなら自分の仕事が全うできる」
「私が本格的にサッカーチームに入ったのは17歳のとき。それまでは“ストリートサッカー”しかしたことがなかった。自分はリオデジャネイロのスラム街で生まれ、家は貧しかった。食事も満足に食べられなかったね。子どものころはボールで遊ぶことが唯一の楽しみだったし、周りの友だちがみんなそうだったように、自分も自然と『サッカー選手になりたい』と思うようになったんだ」
「最初は学校のクラブでプレーしていたんだけど、偶然私のプレーを見ていたスカウトがいた。それで『リオダスオストラスFC』というチームの練習に参加することがかない、プロとして出発することができた。サポートしてくれた両親、2人の妹に感謝したい」
「日本がとても気に入っている。一番のポイントは互いにリスペクトし合う国民性だ。例えば選手はクラブのスタッフを尊重し、スタッフは選手に敬意を払ってくれる。サポーターとも尊重し合っている。みんな親切だし、この環境が大好きだ。私は最終的にはブラジルで選手生活を終えたいと願っているけど、できる限り長く日本でプレーしたいね」
−最後にセンターバックの定位置争いについて。意気込みを。
「(昨季レギュラーの)闘莉王と増川は2人とも日本を代表するすごい選手だ。特に闘莉王は私と同じようにブラジルから日本に来て、長い間すごい努力をしてきた。彼から学ぶことは多いと思っているし、彼とレギュラー争いをしてポジションを取りたい」
【ダニエル(本名ダニエル・シルバ・ドス・サントス)】
1982年5月30日、ブラジル・リオデジャネイロ生まれの29歳。186センチ、79キロ。ブラジルのクルゼイロFCなどを経て09年に当時J2の甲府に加入。昨季までの3シーズンでJ1、J2合わせて104試合に出場して4得点。12年に名古屋グランパスへ移籍した。身体能力の高いセンターバックで、ボランチもこなせる。
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