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【芸能・社会】

ブルーリボン賞 92歳差栄冠 新藤監督&愛菜

2012年2月15日 紙面から

新藤兼人監督(右)と芦田愛菜=東京・内幸町のイイノホールで(石井裕之撮影)

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 東京映画記者会(スポーツ紙7社の映画担当記者で構成)が主催する「第54回(2011年度)ブルーリボン賞」の授賞式が14日、東京・内幸町のイイノホールで開かれた。今回は史上最年長で監督賞を受賞した新藤兼人監督(99)と、史上最年少で新人賞を受賞した人気子役の芦田愛菜(7)が壇上で貴重なツーショットを披露。昨年の男女主演 賞コンビの妻夫木聡(31)と寺島しのぶ(39)が司会を務め、式の終了後には作品賞に輝いた「冷たい熱帯魚」が上映された。

 「2人の年齢差は何と92歳差です!」。司会の寺島が新藤監督と芦田を紹介すると会場がどよめいた。新藤監督は孫の新藤風さんの介助を受けながら車いすに乗って登場。真っ白なドレス姿の芦田がステージ中央に歩み寄って2人が並ぶと、無数のフラッシュと拍手がわき起こった。

 妻夫木から99歳の監督について問われた芦田は「ずっと映画の仕事をされてるのですごいなと思いました。私もぜひ出演させてもらいたいです」と、その場でオファー。

 新藤監督も「そうですね。あと2年もたつと私の座る位置は決まってまして」と次回作に意欲を表明。「彼女の熱演にビックリすることでしょう」と芦田の起用と演技力に太鼓判を押した。

 さらに監督は芦田に「頑張って99歳の監督をけ飛ばして、私を見て『ああなんだ、こんな監督か』と言って、ちょっと笑ってください」とリクエスト。芦田はすぐに「ウフフフ」と笑顔をみせて丁寧にお辞儀。おじいちゃんとひ孫のような2人のやりとりに、会場は和やかな空気に包まれた。

 芦田は、第26回(1983年度)の同賞を当時16歳で受賞した女優原田知世(44)の最年少記録を大幅に更新。「このようなすばらしい賞をいただけて、とてもうれしいです。これからもお芝居をたくさん勉強して、ステキな女優さんになりたいです」とあいさつ。今後挑戦したい役にヘレン・ケラーの名前を挙げると、寺島が「私ヘレン・ケラーの役をやったことがあるのでバトンタッチします」と宣言した。

 寺島から「学校と仕事とどっちが楽しい?」と質問された芦田は「どっちも楽しいです」と回答。さらにどっちか選ぶよう突っ込まれると「う〜ん、どっちだろう」と戸惑う場面も。しかし再びこの舞台に立ちたいか聞かれると「ハイ! 上がってみたいです」と、きっぱり答えた。

 新藤監督は、第38回(95年度)の「午後の遺言状」で作品賞を受賞。当時83歳の最年長記録を自ら更新し「大変大きな賞をいただいて感動しています」と受賞を喜んだ。

 また、新藤監督は三崎千恵子さん死去についてもコメント。監督は三崎さんのデビュー作を監督したといい、「まったくの素人だったが庶民の感じを出すために宿屋のおかみの役をやってもらった。以後、女優に。普通の女優さんに終わると思ってたが、成功した。勇気と度胸があった」とし、三崎さんの死については「誰でもみんな亡くなるんだから」と淡々と話した。

超ミニワンピースで登場した長澤まさみ

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◆長澤まさみ 膝上20センチ“魔性のミニスカ”

 助演女優賞の長澤まさみ(24)はひざ上20センチはあろうかという超ミニ丈のワンピースで登場。受賞作の「モテキ」で演じた魔性の女の役どころのように、最前列のカメラマンを浮足立たせていた。受賞には「私でいいのかな、と気持ちの整理がつかなかったが、監督やスタッフがとても喜んでくださって、自信になりました」と喜びを語った。

◆主演男優賞・竹野内「役者人生の天命」 主演女優賞・永作「来年の司会楽しみ」

 主演男優賞の竹野内豊(41)が登場すると、客席に詰めかけた女性ファンから「キャー」とこの日一番の歓声。竹野内は「あこがれの名優が受賞してきた、名誉ある賞。今でも信じられません」と重みをかみしめ、実在の将校役での受賞に「この作品に出合えたこと、今の時代に残せたことは、私の役者人生の天命と言っても過言ではない。このような評価をいただけてうれしい」と喜びを語った。

 来年の授賞式では司会を務めることになるが、寺島が「ものすごく嫌がっていると小耳にはさんで…。どうでしょうか」と暴露。竹野内は「進行できないかも」「あまり人の前に出るのは…」と照れたが、寺島に「来年がんばってください」と押し切られていた。

 対照的に、主演女優賞の永作博美(41)は来年の司会に意欲十分。「4年前に『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』で助演女優賞をいただいて、主演賞が司会になると知った。昨年はどんな作品が話題になったかとか、次の年につながるシステムがすてきだなと思って、主演賞をいただこうと思った」とうれしそうに話していた。

◆妻夫木&寺島 絶妙掛け合いで会場沸かせた!

 司会を務めたのは昨年主演賞に輝いた妻夫木聡と寺島しのぶ。05年に続き2度目の寺島は「当時は西田(敏行)さんに頼りきっていたので…」と明かし、初司会の妻夫木も「(進行を)いきなり間違えた!」と叫ぶなど緊張気味だったが、映画愛あふれるやりとりで会場を沸かせた。

 作品賞の園子温監督(50)が壇上であいさつする と、妻夫木は「(最新作の)ヒミズがすばらしかった。園監督の中で一番好きな作品になりました」、寺島も「冷たい熱帯魚は夢中になった。監督の術中にはまった」とまくし立て、妻夫木が「一方的ですみません!」とわれに返って恐縮するほど。

 一方、助演男優賞の伊勢谷友介(35)に、妻夫木は「18日に(伊勢谷が監督した)『セイジ−陸の魚−』が公開されますが、役者と監督の違いは?」と質 問。伊勢谷が「監督では全体の流れを意識して、役者の化学反応を楽しんでいる」と答えると感心してうなずき、「個人的に聞きたいこと聞いちゃいました」と、またも恐縮していた。

 

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