15日夜、合志市合生の民家で男女3人の遺体が見つかった事件で、遺体は県警の調べで16日、この家に住むいずれも無職の永野誠一さん(71)と妻豊子さん(68)、三男喜隆さん(39)と判明。豊子さんと喜隆さんの首に絞められた痕があり、永野さんは首をつっていた。遺書のようなメモがあったことなどから、県警は無理心中の疑いが強いとみている。
一家3人の遺体が見つかった民家付近を調べる県警の捜査員=16日正午ごろ、合志市
県警によると、永野さんは1階寝室で見つかった。豊子さんは同じ部屋の介護ベッドで、喜隆さんは2階寝室のベッドで、ともにあおむけの状態で布団を掛けられていた。玄関など出入り口には施錠がしてあり、外部から侵入したり、争ったりした形跡はなかった。
豊子さんは認知症で、喜隆さんは体に障害があったという。メモは永野さんが別居している家族宛てに書いたとみられる。県警は永野さんが2人を殺害後、自殺を図ったとみて、遺体を司法解剖して死因や事件の経緯を調べる。
遺体発見から一夜明け、周辺の住民らに驚きが広がった。近くの女性(79)は「永野さんは朗らかで、地域の行事にも毎回顔を出されていた。奥さんらの世話をされていたが、大変そうなそぶりは見えなかったのに」と話した。
喜隆さんが通う合志市の障害者支援施設の施設長は「15日朝、喜隆さんが来ないので電話をかけたがつながらなかった。職員が家にも行ったが、応答もなかった。亡くなったと聞きショックを受けた」とうなだれた。
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