一人称・三人称がごちゃ混ぜであります!!うわっ、何をするやm(ry
……どうぞ~
十数年振りに川神市に戻ってきた。
「ふぅ……ようやくか」
あの後川神市へ向け意気揚々と出発した。だけど辿り着くのに一年以上も掛かってしまうとは思いもよらなかった。
僕は川神市に行く手段として航路を選んだ。理由は一度船に乗ってみたかった!しかもなんとなく!!……これが間違いだったんだ。
船に乗ろうとしたんだけどお金が足らなかった。諦めきれない僕は川神市の隣にある七浜行きのコンテナ船に乗り込んだ。今思えば完全な犯罪なんだけどこの際どうでもいいや。
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――約一年前。
長い船旅も終わりようやく辿り着いたと思った僕の視界に飛び込んできたのは、七浜ではなかった。よくわからない場所で聞こえてくる声も知らない言葉ばかりだった。
「(あれ?ここドコだ……?)」
僕はおろかなことに七浜行きではなく、外国へと向かうコンテナ船に潜り込んでしまっていた。この時ほど「悪いことはやっちゃいけないんだなー」と思った瞬間はなかった。
もう一度コンテナ船に潜り込もうとは思わなかった。何故か同じ目に合う気がしたからだ。
船を降りた僕を待っていたのは言語の壁。お金を稼ごうと働き口を探しても言葉がわからず、身ぶり手ぶりでは相手にしてもらえない日々が続いた。
どうにかしてようやく話を聞いてくれる男を見つけることができた時は心から安堵した。
話を聞いてくれる男に僕はどこかよくわからない場所へと連れて行かれた。身体検査などを受けたあと、船に乗せられ違う国へと渡った。
訪れた先で僕は与えられた仕事を毎日やり続けた。
最初は言葉がわからず苦労した。言葉を覚えだした頃には二カ月も立っていて、一向に払われない給金を不思議に思いだした頃でもあった。
「あのさ、ココのお給料っていつもらえるのかな?」
「給料ってお前……出るわけねぇだろ。ココにいるヤツは皆売られてきたんだ。ようするに奴隷ってことさ…」
「え?」
同僚だった男の言葉に僕は戸惑いを隠しきれなかった。
そう僕は騙されていた。初めに出会った男は仕事を紹介してくれたわけではなく、ただ僕をココの持ち主に売っていたのだった。
戸惑いの後に込み上がってきたのは怒り。
すぐさま雇い主…(いや飼い主って言ったほうがいいかな?)の所に乗り込み、ボコボコにしてやった。働いていた期間のお金をしっかりと徴収した僕は、同僚の皆にもお金を支払うように言い含めその場をあとにした。
行き先は決まっていた。
騙したヤツらをこの手で叩きのめす為に最初の街に戻った。ようやく見つけることのできた人身売買の組織だったけど、僕が着いた頃には跡形も無く消え去っていた。近隣住民の人に話を聞くと『どのかの軍人のような人が突如現れ、何十人もいた男たちをものの数十秒で薙ぎ倒し颯爽と去って行った』とのことだった。
僕の手で潰せなかったのは残念だったけど、その軍人さんには感謝した。たった一つの組織でも潰れれば被害者が減る。
目撃者の人に軍人さんの特徴を聞き、お礼を言うために探しまわった。いくつかの戦場に赴き情報を集め続け苦労の末、ついにドイツ軍の人だということがわかった僕はドイツに向かった。
ドイツではひと悶着あったものの、しっかりとお礼を言うことはできた。
何故か気に入られた僕は短い期間だったけど軍でお世話になった。十分にお金が溜まり、もう一度感謝の気持ちを伝えドイツを旅立った。
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こうして一年以上の月日を経て、川神市に戻ってくることができた伊織だった。
「少年、少しよろしいかな」
背の小さな伊織に話しかける人物が。
「はい、なんでしょうか?」
振り向いた先に居たのは道着を着た、どことなく強さを感じさせる男性だった。
「相当の使い手とお見受けした。ひと手合わせ願いたい!」
突然の申し出に伊織は少々困惑したが、相手の男が本気で言っていることを感じ取り了承した。
街中での果たし合いは周囲への迷惑になることから、場所を変えた伊織と道着を着た男は数メートルの距離で真正面から対峙していた。
「お相手感謝する。名前を聞いてもよろしいかな?」
「伊織です」
伊織が名乗りを上げるのを引き金に両者は構えをとった。
「いざっ!!」
頭部を狙った右の回し蹴りが放たれた。比較的低身長な伊織の頭部を狙ったものとはいえ柔軟な体から放たれる蹴りは速く鋭い。
それを難なく後方へと体を逸らして躱した。
が、それだけで終わらず男はコマのように回転しながら続けざまに回し蹴りを放った。
男はテコンドーの使い手、その柔軟な体から繰り出される蹴りはキレがよく速い。
不安定な状態からでも蹴りを放ってくるが威力があり、直撃でもすれば多大なダメージを受けてしまう。
それをわかっているのか伊織は、男の蹴り1つ1つを見切りで躱し続けている。
頭部を狙ったアップトリョチャギ(前廻し蹴り)は鼻先を掠めるかどうかの所で後方に仰け反り避ける。見る者がいればまるで舞っているかのような動きだ。
「ちぃ!」
まるで当たらない自分の蹴りに内心焦りを感じていた男だったが、一度距離を取り気持ちを切り替えた。
攻め続けた男の額には汗が浮かんでいるが、見に回っていた伊織は汗1つ掻いていない。正面から対峙している二人の様子は対象的だった。
しばらく睨みあいが続いが、先に動いたのは伊織。
男は接近する伊織を多彩な蹴り技で牽制したが、蹴りを見せすぎた為に全てを避けられいなされてしまう。
「なぜ当たらない。……ッ!?」
一度落ちつきかけていた男は再び焦りを感じてしまった。抜群のキレを誇っていたアップトリョチャギは腰の入っていない蹴りになり、蹴りに脅威を感じられなくなっていた。
そんな相手の焦りを汲み取った伊織は自分の間合いに入ると男の蹴りを上回る速度で、左上段廻し蹴り放つ。
冷静さを欠いていたとはいえ男も武道家の一人。避けることができなくとも防ぐことはできる。頭部を守るようにして腕を上げた。
「まだです!」
伊織が言葉を発するのと同時に、男の頭部に向かっていた蹴りは突如軌道が変わる
まさに電光石化。稲妻が走ったかのような軌跡を残し男の下半身に蹴りが突き刺さっていた。
「陸奥圓明流―紫電」
小柄な伊織の攻撃とはいえ、打ち下されるように繰り出された蹴りの威力は高く、直撃した男はその場に膝をついた。
「まだ、終わっていないよ少年」
母国でテコンドーの大会で優勝したことのある男には意地があった。なんとか立ち上がると男は続けて口を動かした。
「負けることは決して恥ではない……だが…自分の全てを出せずに終わるのは恥だ!!」
男はヨップチャギ(横蹴り)を放つ。今日…いや今までの中で自身最高の蹴りを。
次の瞬間、蹴りが伊織の体を捉える。
男は笑っていた。
「少年…君の勝ちだ」
蹴りを放った足は伊織の肘と膝に挟まれ異様な方向へと曲がっていた。
「ギリギリでした。紙一重で今回は僕に軍配があがりましたが、次はどうなるかわかりません」
伊織の言葉を聞いた男は片足という支えをなくし、その場に座り込んだ。
「ありがとう少年…いやファイター。願わくばもう一度闘いたいものだ」
「僕の方こそありがとうございました。その時はまたよろしくお願いします」
座り込む男に礼をした伊織は手を差し伸べ握手を求める。男は笑顔で、満足のいった表情をしながら握り返した。
「いい仕合いじゃった」
真剣にぶつかり闘った二人の武人に話しかける人物が―――。
なんちゃって戦闘回でした
おそらく現段階で限界の描写です……。
今後の成長に期待する!!
テコンドーの資料をくださったモーディス様ありがとうございました。
感想等ばっちこーい!
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