「エース級投手も八百長関与」　プロ野球ファンに衝撃

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　「LGツインズの朴顕俊（パク・ヒョンジュン）投手（25）ら2投手が、八百長に関与した疑いでまもなく検察に出頭を求められる」というニュースが報じられたことから、プロ野球界が前代未聞のパニックに陥っている。これまでうわさされてきた八百長疑惑の実態が明らかになる可能性が高まったためだ。

　検察のプロスポーツ界八百長工作捜査で取り調べを受けているブローカーが朴投手を名指しし、接触した時の内容を具体的に供述した。このブローカーは朴投手に「1イニング目に四球を出すかどうかの賭け」に関連する試合工作を提案し、謝礼の金額まで言及したという。LG側は15日 「ペク・スンギル団長をはじめとする球団関係者が14日から2日間、沖縄や韓国国内のキャンプ地を訪れ、関連選手たちに詳しく事情を聞いたところ『決してそのようなことはない』との回答を得た」と発表した。だが「検察の捜査が行われることになれば積極的に協力する」との姿勢も示した。

　しかし、朴投手ら2投手を名指ししたブローカーの供述内容がかなり具体的なことから、事実確認のため検察による捜査は避けられない見通しだ。

　入場者数700万人を目標に海外でキャンプを行っている各チームの選手たちは、八百長疑惑の波紋が収まる気配がないことから、練習どころではないといった様子だ。ファンもイライラ感を募らせ、腹立たしさを隠しきれずにいる。インターネット上の野球関連サイトは「八百長はないという監督・選手たちの言葉はもう信じられない」「球界が安易に対処すれば、今年の入場者数は半減するだろう」というファンの書き込みが相次いでいる。

■実名公開騒動

　15日午前には首都圏に本拠地を置くAチームのB選手による「自己申告」をめぐり騒動となった。八百長に加担したとして名前が挙がっていたB選手は14日、事実かどうか確認を求める球団関係者に「2010年に知人から『八百長に加わってほしい』と話を持ち掛けられたが、断った」と答えた。ところが、これが「自己申告」としてあるメディアで報じられたのだ。その後、複数のメディアが20代前半の同選手の実名と写真を公開する事態に至った。チーム関係者は「選手はブローカーの正体を知らず、金銭補償についても聞いていないと言っている。自己申告というよりも（八百長に誘われたことがあるという）事実の報告だった」と述べた。このチームの監督は「実名が出てしまったことで、過ちを犯していない若い選手がどれだけストレスを受けていることか」と懸念している。

　八百長問題の「火薬庫」はLGだった。ファンが15日、LG投手のうち、初回に四球を許した投手の名前や、全球団の投手の初回四球リストなどをネット上に掲載、疑惑はいっそう膨らんだ。ファンはネット上で「急にボールをコントロールできなくなった投手を見て変だと思った。八百長工作ではないだろうか」「今となっては選手を擁護する人たちに腹が立つ」「もう野球なんて見ない」など怒りを爆発させている。韓国野球委員会（KBO）公式サイトの掲示板には「KBOは、疑惑が取り沙汰されている選手だけでなく、全球団を対象に調査を行い、疑惑の根を取り除くべき」という声が寄せられている。

■パニックに陥ったプロ野球

　プロ野球8球団のうち5球団がキャンプを行っている米国アリゾナ州にも、八百長疑惑の波紋が広がっている。斗山のエース金善宇（キム・ソンウ）投手は「関係ないのに自分の名前まで取り沙汰されるのではないかと不安だ」と語った。斗山の金鎮旭（キム・ジンウク）監督は「賭博をする人たちが（八百長に）頭を使うのを見るとあきれるばかり。このような問題は政府が立ち上がって根絶すべきでは」と語った。起亜の宣銅烈（ソン・ドンヨル）監督は「一体どうしてそんなことができるのだろうか」と吐き捨てた。「海外組が（韓国のプロ野球チームに）大勢戻ってきて、入場者数700万人目前というときに、こんな騒動が起きて落ち着かない。このままではプロ野球のシーズン開幕も危うくなるのでは」と懸念する声も聞かれる。

　球界が混乱している中、「偽情報提供騒動」も起きている。同日午前、ケーブルテレビの報道専門チャンネルに、自称「元野球選手J」という人物が「順位とは関係のないペナントレース終盤の試合で、選手とコーチが組んで守備エラーをするなどして八百長工作をした」「かなり前から暴力団が介入している」と衝撃的な発言をした。だが、この人物は実際には元選手でないことが明らかになった。さらに、この人物は同じ携帯電話番号でKBOに電話をかけ、文化体育観光部（省に相当）長官だと名乗っていたことも分かった。KBO側は「この情報提供者は偽情報を広め、野球ファンを心配・失望させた」としてソウル・水西警察署に捜査を要請した。大混乱の渦中にある現在のプロ野球界で起きた後味の悪い出来事だ。