オリンパスの菊川剛前社長など旧経営陣らが、巨額の損失を隠して資産を1000億円以上多く見せかける粉飾決算をしていた疑いが強まったとして、東京地検特捜部と警視庁は、金融商品取引法違反の疑いで菊川前社長ら7人を逮捕しました。
逮捕されたのは、オリンパスの前社長、菊川剛容疑者(70)、元副社長の森久志容疑者(54)、それに元監査役の山田秀雄容疑者(67)の3人です。
損失隠しを指南したとして、証券会社の元社員でコンサルタント会社社長の横尾宣政容疑者(57)ら4人も逮捕されました。
特捜部などは容疑を裏付けるため、川崎市内にある菊川前社長の自宅などの捜索を行っています。
オリンパスは、バブル期の投資の失敗で抱えた1000億円を超える損失を海外のファンドに移し替える不正な経理操作を続け、巨額の企業買収を利用して穴埋めしていました。
特捜部と警視庁の調べによりますと、菊川前社長らは、平成19年と20年に巨額の損失を隠して資産を1000億円以上多く記載したうその有価証券報告書を提出し、決算を粉飾したとして金融商品取引法違反の疑いがもたれています。
横尾社長らは、オリンパスの旧経営陣に損失隠しのための複雑な経理操作を指南していた疑いがあるということです。
これまでの事情聴取に対し、山田元監査役と森元副社長は損失隠しへの関与を認め、菊川前社長にも報告していたと説明しているということです。
特捜部などは巨額の損失を隠した詳しいいきさつについて解明を進めることにしています。
オリンパスは、菊川剛前社長が東京地検特捜部に逮捕されたことについて、「事態を重く受け止めています。事実の解明のため、捜査当局に対して引き続き全面的に協力していきます」とするコメントを出しました。
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