休眠預金、復興支援活用構想の問題点
TBS系(JNN) 2月16日(木)0時51分配信
10年以上使っていない口座を「休眠口座」といいますが、実はこの「休眠口座」を復興支援に活用しようという構想が検討されています。しかし、金融機関は反発。構想の問題はどこにあるのでしょうか。あなたは使わなくなった銀行口座を持っていますか?
「ありますね、あります。もう10年とか、迷惑なのはわかっている」(50代主婦)
「高校時代、寮だったので、仕送りに使っていた」(30代自営業)
実はこうして使わなくなった口座の預金を復興支援に活用しようという考えが政府で検討されています。
金融機関では、最後に預金を出し入れした日から10年以上たった預金のうち、預金者と連絡が取れないものなどを「休眠口座」と分類。ただし、残高が1万円未満の預金者には連絡はありません。口座の金はほとんどの銀行で収益として会計処理されています。度重なる銀行の統廃合や「転勤」「結婚」などを理由に使わなくなった口座をそのままにしている人も多くいます。
「バイトを辞めてしまってそのまま放置」
「子どもの学校の引き落としで口座を開くように言われた銀行が何か所かある」(街の人)
金融庁によりますと、「休眠口座」で年に850億円以上が生まれるということです。国会でも話題に・・・
「制約を打ち破って休眠口座を活用できる道がないか、ぜひご検討いただきたい」(菅直人総理大臣(当時))
しかし、金融機関はこうした「休眠口座」の活用に猛反発。去年5月には全国銀行協会など7団体が連名で反対意見書を提出しました。金融機関側はいつでも払い戻しに応じているとしていて、事実、払い戻しの額は年間で350億円前後に上っています。さらに、仮に預金を移す仕組みを作った場合、「預金者のデータの管理」や「コストの負担」といったことに加え、「預金者の財産権を侵害するのでは」といった問題も生まれると主張しています。
眠った預金の活用を政府に訴えてきたNPO法人の駒崎氏は金融機関の主張に対し、こう反論します。
「データの管理や実務的なコストはたしかにかかると思います。しかし、1000億円もかかるというと疑問ですね。第一歩として日本の国民は(休眠口座を)知ること。国民的な合意のもと、どういった仕組みがいいか作っていくことではないか」(NPO法人「フローレンス」 駒崎弘樹代表理事)
休眠口座の預金を復興支援に活用すべきか―街の声もさまざまです。
「そこにあるお金を黙って使うのはどうかと思いますよ。あくまでも個人のお金である、財産であることは確かですから」(反対の人)
「自分がその口座に全く無関心になっているわけですよね。それがお役に立つのだったらとてもいいアイデアだと思います」(賛成の人)
15日行われた会議には、藤村官房長官らが出席。
「復興財源として使うことも考えてはいません。休眠口座全体を、10年以上が定義だが、使うということではなくて、例えば30年以上動いていないとか、具体的な仕組みはこれから考える話だと思います」(古川元久経済財政担当大臣)
(15日21:39)
最終更新:2月16日(木)7時0分