イスラエルは、ムバラク政権の崩壊後、隣国エジプトとの関係が冷却化するなか、武装勢力などの侵入を防ぐため、エジプトとの国境沿いに全長240キロにわたるフェンスの建設を急ピッチで進めています。
このフェンスは、イスラエル軍がおととし11月からエジプトとの国境に沿って建設を進めているもので、15日、報道陣に公開されました。
金属製の高さ5メートルフェンスには、何重にも有刺鉄線が巻かれ、全長およそ240キロの計画のおよそ40%が完成しています。
フェンスの建設はもともとエジプトを経由した武器などの密輸や、不法移民などの侵入を防ぐために始まりました。
しかし、去年2月にムバラク政権が崩壊して以降、イスラエルとエジプトの関係は冷却化し、国境沿いのエジプトのシナイ半島では、武装勢力の活動が活発化するようになりました。
去年8月には、国境を越えてエジプトから侵入してきた武装勢力によってバスなどが襲撃され、イスラエル人8人が死亡する事件も起き、工事はさらに急ピッチで進められています。
また、国境の警備を担当するイスラエル軍の担当者は「フェンスだけでは武装勢力を防げない」と述べ、国境の部隊を増強していることを明らかにしました。
[関連リンク] |
|