メタンハイドレート関連株買われる、政府が産出実験との報道受ける
7月25日(ブルームバーグ):メタンハイドレート関連株が上昇。政府が2012年度末に、海底に眠るメタンハイドレートから天然ガスを取り出す実験に乗り出すと一部で報じられ、一連の事業が本格化した場合、収益貢献が見込める銘柄を買おうとする動きが強まった。
主な銘柄の値動きは、石油・天然ガスの海洋掘削事業を行う日本海洋掘削が一時前週末比7%高の3210円、LNGプラントを手掛ける千代田化工建設が同2.1%高の1023円、日揮が同2.3%高の2504円、海洋開発専用の機械を製造する三井海洋開発が同4.3%高の1493円まで上げ幅を拡大。地下資源開発に使うボーリングマシン大手の鉱研工業も、同7.5%高の562円と急伸した。
25日付の日本経済新聞朝刊によると、東京電力福島第1原子力発電所の事故を受け、天然ガスなどの安定確保の必要性が高まっており、政府はこれまでコストや技術面での課題が障害となっていたメタンハイドレートから天然ガスを産出する実験に乗り出す。18年度末までの産出技術の確立、20年代の早い時期の商業化を目指すとし、12年度の予算案の概算要求で100億円超の予算計上を検討している、という。
ただ市場関係者の間では、関連銘柄の株高は材料を受けての一過性の動きと受け止める向きが多いようだ。SMBCフレンド証券投資情報部の中西文行部長は、メタンハイドレート関連事業について「実現の可能性は極めて低いだろう」との見解を示唆。日本周辺は、地震や台風など自然災害が多く、「掘削・生産のプラットフォームや天然ガスを輸送するパイプが自然災害に耐えられるか、非常に疑問だ」と言う。その上で、「地熱発電や太陽光発電など、他の実現性の高い発電技術に集中した方が良い」と話していた。
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更新日時: 2011/07/25 11:04 JST