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前会長らきょうにも逮捕 オリンパス粉飾決算容疑

産経新聞 2月16日(木)7時55分配信

 オリンパスの損失隠し事件で、含み損を隠して決算を粉飾した疑いが強まったとして、東京地検特捜部が金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の疑いで、16日にも同社の菊川剛前会長(70)ら旧経営陣の逮捕に踏み切る方針を固めたことが15日、関係者への取材で分かった。

 オリンパスの第三者委員会や関係者の話によると、同社は1990年代に財テクに失敗して含み損を抱え少なくとも平成10年ごろから森久志前副社長(54)や山田秀雄前監査役(67)らが大手証券会社OBとともに、損失を投資ファンドなどに移し替える「飛ばし」を考案し、実行。菊川氏ら歴代社長も報告を受けていた。

 オリンパスがこうした手法によりファンドに飛ばした損失は15年の時点で1177億円。同社は18〜20年に行われた国内外4社の買収で支払った計1348億円を還流させ、穴埋めに充てたとされる。

 関係者によると森、山田両氏は特捜部の任意聴取に対し、損失隠しや穴埋めへの関与を認めたうえで、菊川氏へも逐一報告していたことに言及。菊川氏も、多額の損失を隠した有価証券報告書を関東財務局に提出したとする虚偽記載への関与を認めたという。

 菊川氏は、損失隠しに必要な資金確保のため外国銀行と交わした契約書に自ら署名していたことも明らかになっている。

 特捜部などは昨年12月、旧経営陣の自宅やオリンパス本社(東京都新宿区)などを同法違反容疑で捜索し、押収資料を分析。一方で特捜部は刑事共助条約に基づいて米司法省に捜査共助を要請し、損失隠しに利用されたファンドがある英領ケイマン諸島の司法当局にも、外務省を通じて捜査協力を求めている。

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最終更新:2月16日(木)8時23分

産経新聞

 

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