早くも始まった正月のおせち商戦 今年のトレンドは?
週刊文春 2011年10月19日(水)12時11分配信
各百貨店などでは、早くも来年の正月用おせち料理の予約を受け付けている。
「今年は東日本大震災の復興支援として、安全基準を満たした被災地の食材を使用したり、購入代金の一部が義援金になる商品が登場しています。また、正月を家族とともに過ごす方が多くなると予想されており、家族の絆が年末商戦のキーワードになっています」(流通関係ライター)
そんななか、売上を伸ばしているのがインターネットで注文できるおせち料理だ。お取り寄せグルメを扱うサイト、ぐるなび食市場によれば、
「八月と九月の売上は、昨年の同月にくらべて約二倍に伸びています。購入される時間帯をみると週末の夜が多いので、家族で相談しながらパソコンの画面をのぞき込んでいるのではないでしょうか」
ネット販売のおせちといえば、見本と異なるスカスカの商品が送られるトラブルがあったが、それだけに安全・安心には気を使っているという。そこで、実施されているのがおせちの味見だ。
「博多久松ではお客様自身の舌で判断してもらうために、五百円(税・送料別)で“おためしおせち”を販売しています。一品の量は少ないですが、祝い海老、伊達巻、黒豆蜜煮などの定番品が十品も詰め込まれた採算度外視の商品で、五百個限定で売り出したところ、即完売。そこで、十二月初旬まで販売を延長して対応しています」(同前)
また、そごう・西武では京都の名店が作る本格的なおせちを一人前で販売する。
「お客様がおせちを購入される際に一番悩まれるのが料理の分量です。おせちを食べ残さないように少量の商品を求める家族が増えていることから、一人前の“個食おせち”を販売することにしました」(そごう・西武開発担当)
そのほか、必要な人数分に合わせて注文できる“少量おせち”や和洋中から一段ごとに選べるおせちなども充実させているという。
「お客様のニーズは確実に少量のおせちにシフトしていますし、有名料亭もこぞって参入してきているので、今後もこの分野の開発は進んでいくと思われます」(同前)
正月におせち料理を食べる伝統的な慣習も、時代の要求に合わせて少しずつ変化しているようだ。 (大平明)
(週刊文春2011年10月27日秋の特大号「THIS WEEK 流行」より)
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「博多久松ではお客様自身の舌で判断してもらうために、五百円(税・送料別)で“おためしおせち”を販売しています。一品の量は少ないですが、祝い海老、伊達巻、黒豆蜜煮などの定番品が十品も詰め込まれた採算度外視の商品で、五百個限定で売り出したところ、即完売。そこで、十二月初旬まで販売を延長して対応しています」(同前)
また、そごう・西武では京都の名店が作る本格的なおせちを一人前で販売する。
「お客様がおせちを購入される際に一番悩まれるのが料理の分量です。おせちを食べ残さないように少量の商品を求める家族が増えていることから、一人前の“個食おせち”を販売することにしました」(そごう・西武開発担当)
そのほか、必要な人数分に合わせて注文できる“少量おせち”や和洋中から一段ごとに選べるおせちなども充実させているという。
「お客様のニーズは確実に少量のおせちにシフトしていますし、有名料亭もこぞって参入してきているので、今後もこの分野の開発は進んでいくと思われます」(同前)
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最終更新:2011年10月19日(水)12時11分
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