米ゴールドマン、過去数カ月に十数人のトレーダーが金利デスクを退職
[ニューヨーク 28日 ロイター] 米ゴールドマン・サックス(GS.N: 株価, 企業情報, レポート)の北米政府債・デリバティブ(金融派生商品)トレーディングデスクでは、過去数カ月間に十数人のトレーダーが退職している。
ゴールドマンがリスク取引を縮小し、トレーダーの報酬が減っているため。
同行の運営に詳しい筋によると、ゴールドマンは証券やデリバティブの在庫を管理しているトレーダーよりも、セールス部門の人材を昇進・昇給させてきた。
こうした流れの変化は、ゴールドマンが自己勘定取引で儲けることから顧客勘定取引にシフトしていることを反映しているという。
サスケハナ・フィナンシャル・グループのアナリスト、デビッド・ヒルダー氏は、ゴールドマンの経営陣が最近トレーダーよりセールススタッフに報酬を与えていることは理にかなっていると指摘。「顧客に対応し、話をするセールスは必要だ。長期的には、数人の証券トレーダーよりも重要だ」と語った。
3人の関係筋によると、ゴールドマンを最近退職したトレーダーの中には、22年間勤めていた金利デリバティブトレーダーのブライアン・ムーニー氏、ゴールドマンの元米国債トレーディングデスク責任者グレン・ハッデン氏などが含まれている。
ムーニー氏は今週、バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)(BAC.N: 株価, 企業情報, レポート)のメリルリンチに参加。ハッデン氏は昨年退職し、今年1月にモルガン・スタンレー(MS.N: 株価, 企業情報, レポート)の金利トレーディング部門に加わった。
このほか、少なくとも9人の金利デスク出身者が今年、UBS(UBSN.VX: 株価, 企業情報, レポート)や野村ホールディングス(8604.T: 株価, ニュース, レポート)、ジェフリーズ・グループ(JEF.N: 株価, 企業情報, レポート)、JPモルガン・チェース(JPM.N: 株価, 企業情報, レポート)などの同業他社やヘッジファンドに移っている。
関係筋によると、ゴールドマンは3月以降、トレーダーをレイオフしてきたが、自発的な退職も相次ぎ、昨年終盤から第2・四半期まで続いたという。
ゴールドマンの広報担当マイケル・ドゥバリー氏は「ゴールドマンは金利商品事業に完全にコミットしている」と述べ、同事業には適切な人員配置がなされているとの認識を示した。
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