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メイドトレイン (@maidtrain)

Posted Wednesday 15th February 2012 from Twitlonger

新幹線撮り鉄が逮捕された件についてコメントしたい。
まず冒頭お断りしておくが、決して危険行為を正当化したり推奨しようと言うわけではない、むしろ絶対に止めるべきだという前提のお話だ。

今回の報道を見て、ツイッター上でも「危険行為とはけしかんらん」と言う意見が多数ツイートされているが、私の見方はちょっと違う。
思うに、これは危険行為で逮捕されたわけではないだろう。
なぜなら、今回の報道を見る限り何が違法なのかさっぱりわからないからだ。
と、書くと「新幹線特別法だ」と言う方がいるだろうが、では新幹線特例法、正確には「新幹線鉄道における列車運行の安全を妨げる行為の処罰に関する特例法」の条文にどう違反したと言うのだろうか?
報道を見る限り、最も重要なこの部分がが全く見えないのだ。
また、勘違いしている人が大勢いるが、逮捕=違法事実があったではない。
あくまで「疑い」である。
今回も「疑いで捜査」と書かれている通りだ。
たしかに、こういう条文がある。

(線路上に物件を置く等の罪)
第三条  次の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。
一  列車の運行の妨害となるような方法で、みだりに、物件を新幹線鉄道の線路(軌道及びこれに附属する保線用通路その他の施設であつて、軌道の中心線の両側について幅三メートル以内の場所にあるものをいう。次号において同じ。)上に置き、又はこれに類する行為をした者
二  新幹線鉄道の線路内にみだりに立ち入つた者

しかし、被疑者はフェンスの中に入ったわけではないと言う。
つまり、線路の中心から三メートル以内に立ち入ったわけではないのだから、逮捕要件が無い。
フェンスの縁に張り付くと三メートル以内になるというのなら、それはそもそもフェンスの設置の仕方がおかしいから、それはまず無い。
極端に言えば、三メールと以上のところなら脚立を建てようと自由だし、仮にそれが道路上なら道路法や道路交通法上の問題なので新幹線特例法で逮捕できない。
たしかに「又はこれに類する行為をした者」とあるが、この定義は実に曖昧だ。
こういう曖昧な物で下手に逮捕して、最終的に無罪となれば、それは直ちに冤罪となるのだから、警察もよほどじゃないと逮捕しない。
冤罪となれば、拘留した期間分の日当を国が支払う、すなわち買収するのだから、警察にとって冤罪ほどカッコの悪い物は無いのだ。
実際、日本の刑事法廷では9割以上が有罪となると言うから、警察は余程の事が無いと逮捕、起訴しない。
まして、曖昧な条文を根拠として逮捕するならなおのことだ。

そう考えると、今回逮捕された直接の要因は、危険行為ではないと考える。
実際の警察の取締りを見ると、シンプルに罰金徴収するシステムが確立している交通違反は別として、法廷で争う必要があるような事件では、上記冤罪のリスクもあいまってそう簡単に警察も逮捕しない。
まずは注意して止めさせるというのが先に来るだろう。
特に今回の第一発見者は警察ではなく鉄道会社、鉄道会社の社員が危険行為を見つけて注意もしないで黙って警察に通報するというのは考えられない。
まずは注意して止めさせるであろう。
そして発見から逮捕まで20分経過しているのだから、注意されてその場立ち去れば逮捕されることは無い。
では一体、なぜ逮捕されたのだろうか?
ここからはあくまで予想だが、注意されても止めないで、逆ギレして撮影を続けて、鉄道会社も手におえないと判断し警察に通報したのではないだろうか。
そして警察が来ても注意を聞かず居座ったために、悪質と判断されて逮捕されたのではないだろうか。
つまり、素直に注意を聞いていれば逮捕されることなど無かった事件だと言える。

確かに私も撮り鉄(とは言っても最近は撮っていないけど)である以上、良い写真を撮りたい、撮影しているとヒートアップしていくという気持ちがわからないわけではない。
しかし、その行為が危険だと判断されたのなら、それは直ちに中止すべきである。
だが、撮影に行くと悲しきかな、注意をされても「何が悪いんだ」「こっちは客だぞ」みたいな態度で鉄道会社社員とケンカになっている者も少なくない。
列車は趣味の皆さんのために走っているのではなく、あくまで人々の生活を支えているインフラの一つだ。
それを趣味の対象とするのは個人の自由だが、根幹である安全輸送より、趣味が優先することなど絶対に無い。
安全を脅かす鉄道趣味など存在しない。
それは鉄道ファンではなく、鉄道ストーカーだ。 http://tl.gd/fu7idm · Reply
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