政治「休眠預金」成長戦略に活用 政府が検討開始、銀行業界は猛反発2012.2.15 21:26

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「休眠預金」成長戦略に活用 政府が検討開始、銀行業界は猛反発

2012.2.15 21:26 銀行・金融業界

 政府は15日、「成長ファイナンス推進会議」(議長・古川元久国家戦略担当相)を開き、金融機関で10年以上お金の出し入れがない口座の「休眠預金」の一部を日本経済の成長戦略に活用する検討に入った。雇用創出や新たな産業の育成につながる起業の支援などを想定している。会合後、古川国家戦略相は「直接的に東日本大震災からの復興に使うことはないが、支援する企業が被災地にあれば、復興につながる」と述べた。ただ、銀行業界は活用に強く反発しており、実現には課題も多い。

 休眠口座は10年以上お金の預け払いがないまま金融機関に放置され、預金者と連絡が取れない口座。銀行預金の場合は、商法の規定で5年間、信用金庫などは民法の規定で10年間、取引がないと預金者は権利を失う。ただ、権利喪失後も預金者の請求があれば払い戻しに応じている。

 金融庁によると、休眠預金は銀行や信用金庫などを合計すると毎年約850億円が新たに発生し、うち約350億円が払い戻されている。残りについては、口座管理費用などを除いた上で、ひとまず収入として計上している。

 これまでも政府内に休眠預金の有効活用を求める声があり、同会議で検討に着手した。古川国家戦略相は会合後、「日本が成長していくためのお金の流れをいかによくするかを考えいく」と述べた。

 英国などでは休眠預金の一部を財団や基金に移し、福祉事業への支援などに使っている。会議ではこうした事例を参考に、第三者機関が設置する基金に休眠預金を繰り入れる案などを検討する。

 これに対し、銀行業界は「休眠口座は20年程度取引がなくても、突然引き出される場合もある」(大手)などと強く反発している。

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